「女の子たちがわらわらと波をこえてこっちに向かってやって来る」。南米ペルー沖の海水温が下がる「ラニーニャ現象」はそんなイメージだと作家・詩人の伊藤比呂美さんが書いていた。ラニーニャとはスペイン語で女の子の意味だ。
▼この現象が地球を経めぐる海水や空気の流れを乱し、あちこちに異常気象をもたらす。日本の去年の猛暑も、冬の厳しい寒さも、この「女の子」たちが一因らしい。きょうは大寒。暖冬が通り相場の近年には珍しく、西高東低の冬型を示す間の詰まった等圧線や、衛星が写し出した雪雲はすっかりおなじみである。
▼「葉」をお題にしたことしの歌会始の入選歌に「背丈より百葉箱の高きころ四季は静かに人と巡りき」(吉竹純)という一首があった。場所によっては、深く積もる雪のため百葉箱よりひととき背が高くなった子どもたちがいるだろう。箱を開け最低気温の記録に驚きの声を上げる。にぎやかな光景も目に浮かぶ。
▼立春までの半月ほどはいちばん冷える時期だ。今月末にかけて列島を新たな寒波が襲うとの予報もある。それでも、気がつけば東京では梅の香が立っている。きのう、この冬はじめて網走の沿岸から見えたという流氷は春の季語。わらわらと、だろうか。それとも、静かに、か。次の季節の足音がもう響いている。
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