ライフブタ放牧で耕作放棄地を再生せよ 循環型農業、6次化で「一石三鳥」+(3/4ページ)(2011.1.23 12:00

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ブタ放牧で耕作放棄地を再生せよ 循環型農業、6次化で「一石三鳥」

2011.1.23 12:00 (3/4ページ)
放牧したブタに野菜の残さを与える降矢農園の降矢セツ子取締役=福島県郡山市田村町

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放牧したブタに野菜の残さを与える降矢農園の降矢セツ子取締役=福島県郡山市田村町

 放牧養豚には「手間がかからない飼料米の栽培を促し、エサの一部に取り入れたい」との思いもある。

    ◆◆

 「おーい、おーい」

 社長夫人の降矢セツ子取締役の呼び声が山間にこだまする。しばらくすると、何頭ものブタが傾斜を駆け上がって集まってくる。

 お目当ては、水耕野菜の根や豆など、農園で大量に発生する野菜くず(残さ)だ。背脂を作る養豚用の穀類エサを3割に抑え、残さのリサイクルで「循環型農業」を進めている。放牧養豚の二つ目のカギだ。

 「冬場は軽トラック1台分に及ぶ凍った残さを割って食べさせる」(降矢セツ子取締役)など苦労も多いが、群れの中で強いブタにエサの摂取量が偏らないように、子豚の導入時期をずらすなど工夫を重ねているという。

 「畜舎養豚の2倍」という生後1年間をかけて育てたブタは百キロを超え、やや筋肉質で健康そのもの。

 昨年春、郡山市内のホテルで試食会を行い、シェフから「歯応えがほどよく肉の味も濃い」と“お墨付き”を得た。だが、背脂不足で出荷規格に合わないなど、枝肉として採算を得るには難題も多いという。

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放牧したブタに野菜の残さを与える降矢農園の降矢セツ子取締役=福島県郡山市田村町
放牧したブタに野菜の残さを与える降矢農園の降矢セツ子取締役=福島県郡山市田村町
降矢さんに呼ばれてエサへと走るブタたち=福島県郡山市田村町

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