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仙台・高校生死傷事故:無謀運転に怒りの声 容疑者「朝まで酒飲んでた」 /宮城

 仙台市太白区で21日朝、乗用車が信号待ちしていた男子高校生をはね、仙台南高1年の山田隆広さん(16)=同市宮城野区小田原3=が死亡し、仙台西高2年の男子生徒(17)=同区=が軽傷を負った事故は、飲酒運転が原因との見方が強まっている。「言葉にできないような強い怒りを感じる」。仙台南高の石上正敏校長は同日夕の会見で、沈痛な表情で声を絞り出し、若い命を奪った無謀な運転を非難した。【三村泰揮】

 石上校長らによると、死亡した山田さんは明るくまじめでクラスメートに慕われていた。成績もトップクラスで将来は数学教師になるのが夢だったという。ラグビー部では181センチの長身を生かしてフォワードのロックやフランカーを務めるレギュラー選手だった。「探究心があり、自分の頭で考え行動する、将来が非常に楽しみな生徒だった。残念です」と、石上校長は話した。

 事故直後に現場を通りがかった同校の教諭が「生徒が事故に巻き込まれた」と学校に連絡。昼前に全校放送で事故の発生が生徒にも伝えられた。梅田一成教頭によると、ほとんどの生徒がショックを受けていた様子で、泣き出す生徒もいたという。同校では22日朝に全校集会を開き、山田さんの冥福を祈り、生徒の心のケアに努める。

 県内では05年5月に多賀城市内で横断歩道を渡っていたウォークラリー中の仙台育英学園高の生徒の列に飲酒運転の乗用車が突っ込み、生徒3人が死亡し、15人が重軽傷を負った。今回の事故でも、乗用車を運転していた名取市愛島塩手の無職、中沢孝治容疑者(28)=自動車運転過失傷害容疑で現行犯逮捕=は仙台南署の調べに「朝まで酒を飲んでいた」と供述している。

 県の小林伸一教育長は21日、「県を挙げて飲酒運転の撲滅に取り組んできたにもかかわらず、またしても飲酒運転によってこのような重大事故が起こったことに強い怒りを感じている。二度とこのような事故が発生しないことを切に願う」とのコメントを発表した。

毎日新聞 2011年1月22日 地方版

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