金本、投げた!今オフ初キャッチボール

 キャッチボールの後半、力強い球を投げ込む金本=鳴尾浜(撮影・大山伸一郎)
 キャッチボールの後半、力強い球を投げ込む金本=鳴尾浜(撮影・大山伸一郎)

 もう一度、鉄人と呼ばせてみせる!右肩棘(きょく)上筋断裂の重傷から復活を目指す阪神・金本知憲外野手(42)が23日、西宮市の鳴尾浜球場でキャッチボールを解禁した。寒空の下、塁間の距離で30球。最後の3球は全力に近い速球を投げ込み、復調を印象づけた。予定通り2月1日から沖縄でキャンプインするが、順調にいけば実戦形式のシートノック参加も早まりそうだ。

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 大丈夫か。周囲が心配になるほど、腕の振りは力強かった。熱のこもった30球。金本が驚異的な回復ぶりで、復活へのスタートラインに立った。

 正午すぎ、赤茶色のグラブを手に、42歳が寒空のグラウンドに立った。直前に屋内でネットに数球投じ、肩を慣らした。気温7度。まだ浜風の冷たい鳴尾浜球場は好条件とは言い難い。慎重を期せば甲子園の室内練習場を選ぶ手もあった。それでも金本は自ら描く青写真どおり、キャッチボールを解禁した。

 7分間に及んだデモンストレーションは中身も濃かった。軌道は山なりではなく、最初から直線を描いた。10メートルから徐々に距離を伸ばし、練習相手の伊藤健治トレーナーを塁間の間隔で立たせた。最長35メートル。スナップを利かせ、右腕を振る。目を見張ったのはラスト3球。10メートルの距離で意識的に強く腕を振りおろし、速球を投じた。

 「キャンプまでにどれくらい投げられるか、状態が上がっている中で、本人が(キャッチボールを)やりたいというのもありました。30〜35メートル?あれくらいは全然、問題ない」。伊藤トレーナーは力感あふれる初投げを当然とばかり、手応えを口にした。

 今月11日に甲子園の室内練習場でネットスローを開始した。3〜5メートルの距離でネットに30球ほど投げ込み、好感触を得た。広島自主トレを打ち上げた20日には5度目のネットスローを行い、金本は同トレーナーに「もっと強く投げてみたい」とキャッチボールを志願。キャンプインまでに屋外で試投するプランを描いていた。

 ハワイ自主トレを行った昨年末は、現地で借りたレンタカーのドアに左手を伸ばしていた。一向に進展のないリハビリ作業にイライラも募った。前月は本人もこの日の姿を想像できなかった。地道な努力が、ようやく功を奏してきた。

 「肩と体が万全なら、新井さんよりは打てると思う」。21日、京都で開かれたトークショーで現4番を挑発した。正月に「(右肩の)状態が上がってこない」と悲愴(ひそう)感を漂わせたが、この半月間で明らかに発言が変わってきた。「キャンプに入って(メニューが)変わってくることもある」。伊藤トレーナーは復活プランの上方修正を示唆した。全力でバックホーム‐金本はそんな予想図をはっきりと描いている。

(2011年1月23日)

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