オフイス・マツナガのブログ!(現役雑誌記者によるブログ日記!)【政治】福田改造内閣と公明党:1


 「衆議院選挙はいつになるのか分からない。支持率が低迷して次の総理で解散になるのかも分からない」
 7月2日、千葉県で行なった神崎武法前公明党代表の発言が物議を醸した。
 
 昨年の参議院選挙後、公明党の支持者から、
「平和・福祉の党は一体どうなったんだ。自民党との付き合いを考えなおせ」
 という声が公明党本部に続々届くようになった。
   公明党内部でも、
「このまま福田内閣の支持率が低迷したら次の選挙で大敗する。福田康夫総理と心中することはない」 

 この声を代弁するように神崎前代表が「福田総理をかえろ」という発言になったのである。
 神崎発言を機に公明党内部からも高木陽介選対委員長が、
「自民党には夢もないし自己改革もない。負担もない。このままの自民党だったら選挙に勝てないどころか政党としてもダメになってしまう。今まで連立を8年やってきたのだから次も自公政権が当然だというのは違う」
 と自公連立解消発言まで飛び出す始末。



 これを受けて「改造は白紙ですよ。白紙は白紙。ウフフフ」
 なんていっていた福田康夫総理も、
「内閣改造をしなければやばいことになりそうだ」
 重い腰を上げ8月1日、遂に「内閣改造」に踏み切ったのだ。

 内閣改造の主役は麻生太郎元幹事長と公明党である。

 公明党は昨年7月の参議院選挙で愛知県、神奈川県と埼玉県の候補者が落選。神奈川選挙区では松あきらが落選後、自民党当選者の選挙違反が発覚。自民党議員の辞任を受け松あきらが繰り上げ当選し面目を保った。
 それでも公明党は3人区以上ので大都市では東京都大阪以外、選挙に勝てないということになり結党以来の最大の危機を迎えている。
 公明党の内外から「自民党との関係を見直せ」という声が高まっていった。

 太田代表も福田総理には「内閣改造をやり支持率を上げないと、次の選挙での選挙協力を考え直す」
 なんて脅しも掛けていた。

 公明党が頭に来ていたのは福田総理の優柔不断のさることながら伊吹文明幹事長その人。
 伊吹幹事長はいつも自分が一番頭がいい。だから自分の意見が一番正しいなどと「木で鼻をくくった」態度で誰も意見も聞かない。
 公明党としては、
「これだけ自民党へ協力しているのに自分らの話を聞かないとは何事か」
 と伊吹幹事長に対する反発も多かった。
「衆議院は比例区をなくしてもいいんじゃないか」

 この伊吹発言に公明党も「プッツン」
 伊吹幹事長を外せという声が公明党に広がる。
 
 伊吹幹事長は公明党の動きを感じ福田総理に、
「公明党が福田内閣の倒閣を倒し、次の総理に麻生太郎を据えようと画策しています」
 保身を考えた伊吹文明幹事長の「総理へのご忠臣」というわけだ。
 総理はジーッと考えていたが、公明党に政権から去られたら次の選挙で自民党は惨敗する。
 そこで公明党の意見を入れて巷の人気が高い麻生太郎を幹事長に取り込むことにした。
 福田総理は森喜朗元総理に麻生太郎に「幹事長就任要請」を頼んだ。
 森元総理は麻生に電話した。
「何としても幹事長に入ってくれ。君が幹事長にか入らないと自民党は大変なことになる」
「私は幹事長を受ける気はありません」
 
 森元総理は麻生幹事長就任を諦めない。
 そこで森元総理は元麻生太郎の親分だった河野洋平議長に麻生太郎の幹事長就任を頼む。
 河野議長は、
「森さん。麻生という人物は電話で頼んだだけでは受けませんよ。直接、本人に会ってきちんと話をしないとダメです」
 とアドバイス。
 森元総理は福田総理に、
「幹事長の就任は麻生本人に直接会って要請しないとダメだ。福田さんが麻生本人に会って説得すれば大丈夫だ」
  7月31日、福田総理は森元総理からの連絡を受け麻生太郎に直接電話した。麻生はこのとき東京にいなかった。
「総理からのお話は明日,東京に行ってから」
 8月1日、上京した麻生はその足で直接、福田総理から説得を受け幹事長就任を承諾した。

 この時、麻生が出した条件は
1、つぎの選挙で引退を表明していた鈴木恒夫を大臣にすること。
2、3役を一掃する。笹川尭を総務会長に。
3、古賀誠選対委員長を4役から格下げにする。
4、福田総理に何かあったら総理の座を禅譲する?

 これまでの伊吹幹事長は党運営は自分に、選挙は古賀とすみわけをしていた。
 麻生は党運営にするなら当然、党運営と選挙は幹事長の仕事。
 古賀誠の持っている選挙対策の権限を取り戻そうと古賀選対委員長を格下げにしようとしたのである。
 ところが、福田康夫が自民党総裁に就任したときそれまでの3役に古賀誠の選対委員長を格上げし、4役が大幹部であると党規約を改正したのである。
 古賀誠選対委員長の格下げは自民党規約改正がなければ出来ないことがわかり麻生はこのことを断念した。

 まあ、自民党の選挙態勢は公認問題もほとんど終わっているのであまり幹事長も選対委員長もそんなにやることはない。
 ただ、選挙に関わる資金をどちらが握るのか。こっちの方が大問題であり麻生と古賀の火種ともなる。

 公明党は麻生太郎が幹事長就任しないなら自公連立政権の見直も視野に入っていた。
 福田総理は「次の入閣には浜四津敏子さんをお願いしたい」と太田代表に頼んでいた。しかし、自公連立継続に二の足を踏む公明党は斉藤鉄夫政調会長を環境大臣に就任させる。
 「役所べったり」といわれた冬柴鉄三のいた国交省と年金問題でボロボロの厚生大臣だけは就任したくない 

 公明党にとって必要なポストは財政諮問会議に出席できる「経産大臣ポスト」だった。
「骨太の方針」を作る財政諮問会議に公明党を出席させたくない自民党は経産大臣のポストを絶対渡さない。
 公明党としても深追いせず当たり障りのない「環境大臣」を取る事にした。
 入閣候補者は順番からして井上義久か山口那津男。
 それがあまり目立たない斉藤鉄夫を入れたことで一応の体裁を整えていたが、麻生太郎が幹事長に入らない場合、どうでもいい松あきらという選択肢もあったのだ。

 北側一雄元国交大臣・幹事長と麻生太郎現自民党幹事長は小泉政権時代に同じ政調会長として一緒に汗をかいた仲。
 福田改造内閣が行なわれた8月1日夜、麻生幹事長就任を祝して祝杯をあげた。

 福田改造内閣が発足して内閣支持率は若干上がった。
 しかし、今後福田総理がどうするのかで支持率は急激に下がる。
 臨時国会召集はいつになるのか。

 9月5日説が有る。
 がしかし、公明党としてはインド洋の給油特別措置法で反対の立場。衆議院で2/3の再可決をし参議院で「問責決議案可決」で解散なんていったら目も当てられない。
 公明党にとって民主党の動きも気になるところ。読売新聞も「自民・民主大連立が日本を救う」なんてことを言い出す始末。

 公明党にとって一番いい選択肢は早いうちに福田総理が総理辞任を発表、人気の高い麻生太郎が政権の座に就く。
 新しい麻生内閣で解散総選挙なら公明党の議席も現有議席維持が出来る。
 公明党は来年7月の都議選に絶対勝利する為に前後3ヶ月は他のことは出来ない。
 そこで解散、総選挙は年内か来年1月の通常国会冒頭にしてもらいたいところだが・・・。

 解散時は福田内閣か麻生内閣か。
 それによっても公明党の対応が違ってくる。
 
 公明党は自民党と民主党のどちらにかければいいのか。
 最近の民主党は「次の選挙で公明党を自民党から引き離せば勝てる」とばかり、公明党の恥部・「矢野問題」を引っ張り出す。矢野問題は公明党にとって致命傷になりかねないほどの大爆弾。
 これを民主党の石井一議員が画策し矢野本人も、
「創価学会から退会したし、国会で呼ばれればいつでも出席して話をする」
 公明党と縁を切った矢野が何を話すか、公明党にとっても恐い存在でも有る。
 寝た子を起こさないようにと公明党も民主党との接近を図りつつある。

 自民党と民主党。公明党がどちらにつくかで政権が決まる。
 しかし、次の選挙で自民・民主のどちらも過半数とれなければ両党大連立ということもありえる。
 自民・民主大連立なら公明党はお払い箱。

 福田改造内閣発足で支持率アップ。それもつかの間の話。
 自民支援か連立解消か、解散総選挙まで公明党のジレンマは続くのだ。
 
以上

 参考:福田改造内閣と公明党:22008年08月08日


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