中日スポーツ、東京中日スポーツのニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 中日スポーツ > サッカー > 紙面から一覧 > 記事

ここから本文

【サッカー】

岡崎ハット 日本5発で決勝T

2011年1月18日 紙面から

前半、3点目のゴールを決めた前田(左)を祝福する岡崎=ドーハ(共同)

写真

◇アジアカップ 1次リーグB組

 【ドーハ松岡祐司、原田公樹】サッカーのアジア・カップは17日、ドーハで1次リーグB組最終戦を行い、日本は5−0でサウジアラビアを撃破し、6大会連続のベスト8進出を果たした。MF松井大輔が離脱し、MF本田圭佑は負傷で先発から外れたが、大会初スタメンとなったFW岡崎慎司がハットトリックの大活躍。FW前田遼一も待望の2発で突き放した。B組を1位突破した日本は、21日の準々決勝でA組2位のカタールと対戦する。

 疾風が最前線を駆け抜けた。サウジを屈服させたのは、間違いなく岡崎の動き出しだった。開始早々の一気の攻略。背番号「9」のストライカーとしての醍醐味(だいごみ)が凝縮していた。

 前半8分だった。遠藤にボールが渡る直前、右サイドから中央へ動き直した岡崎は左へステップを踏むと、急角度でゴール前へ急発進。ブレーキのかかったラストパスを冷静に浮かせて相手GKをかわし、右足でプッシュした。待望の先制点。歓喜の輪の中央で、岡崎は鬼神の面を取り、屈託のない笑みを浮かべた。

 止まらない。5分後だった。左サイドで香川が得意の切り返しでルックアップすると、すでに岡崎はファーサイドから突進していた。ピンポイントパスに、代名詞の美しいダイビングヘッド弾だった。

 試合前日、岡崎は自信に満ちあふれていた。「(相手守備陣の)裏を狙ってシンプルにゴールへ行く。必ず裏を狙う。先発で出たら裏を狙う。サブで出ても、裏を狙うことは忘れない」。単なる徒競走ではない判断力と観察眼がある。後半35分にはトドメの一撃。Aマッチ3度目のハットトリックで、サウジの戦意を根こそぎ奪い取った。

 技術が秀でているだけではできない。強いだけでもできない。日本のトップストライカーとして、過酷なポジションでプレーし、得点を決め続けてきた。尊敬する中山(札幌)と並ぶ歴代8位タイの代表通算21得点。その頭上には釜本、三浦(横浜FC)、原(現日本協会技術委員長)、高木(熊本監督)、木村(横浜M監督)、中村(横浜M)、高原(清水)という重鎮がそろう。その名を書き上げるだけで、岡崎の価値が分かるはずだ。

 雨のドーハで演じた「岡崎劇場」。観客の拍手はまばらだったが、胸を張っていい。サウジ戦当日の1月17日は阪神・淡路大震災からちょうど丸16年。兵庫・宝塚市生まれ。当時8歳だった少年が復興した郷里へ捧げる、鎮魂のゴール、勝利だった。 (松岡祐司)

 

この記事を印刷する

PR情報

Ads by Yahoo!リスティング広告



おすすめサイト

ads by adingo




中日スポーツ 東京中日スポーツ 中日新聞フォトサービス 東京中日スポーツ