【ドーハ=垣見洋樹】サッカーのアジア・カップで2大会ぶり4度目の優勝を目指す日本は17日、岡崎(清水)と前田(磐田)の活躍で、強豪サウジアラビアに5−0で完勝し、同組1位で8強入りした。
この試合、指揮官の心配は試合への入り方だった。そんな指揮官の杞憂(きゆう)を2人が振り払った。
先陣を切ったのは岡崎。前半8分、相手DFの背後へ走り込んだ。遠藤(G大阪)からの浮き球を受けて抜け出すと、技ありのループでGKをかわし、最後は余裕で流し込んだ。
右サイドから中央へ斜めに入り込む動きは、試合前監督に指示された通り。「狙い通りの得点だった」。13分も同様に中央へ飛び出し、香川(ドルトムント)の左クロスを頭で合わせ追加点を挙げた。
続いたのは前田。DF長友(チェゼーナ)の左クロスに右足を合わせ、GKとポストの間の細いすき間にねじ込んだ。「前の試合からクロスに対して中央に入ることをやってきた。それが持ち味ですし」。岡崎同様動きだしで相手を置き去りにし、代表で約3年ぶりのゴールを決めた。
ザッケローニ監督は彼らの攻撃的な姿勢に納得の様子。「先制した後も緩めることなく試合を決めてくれた。相手のいちるの望みを断ち切った」
すでに1次リーグ敗退が決まっていたサウジアラビアだが、優勝は最多タイの3回で前回準優勝の強豪。眠れる獅子を起こさないことがこの試合のテーマだった。
「気を抜くなとは言ったが。彼らは頭がいいし、戦う集団になってきている」。与えた課題をこなしてゆくチームの成長ぶりに監督が目を細めた。
日本は21日午後4時25分(日本時間同10時25分)からの準々決勝で、A組2位の開催国カタールと対戦する。
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