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【サッカー】

岡崎 ザックの教えを実践

2011年1月19日 紙面から

準々決勝のカタール戦へ向けた練習で、笑顔を見せる岡崎=ドーハで(共同)

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 【ドーハ松岡祐司、原田公樹】アジア・カップ1次リーグB組最終戦でサウジアラビアに5−0で圧勝し、8強入りを決めた日本代表は18日、準々決勝のカタール戦に向け、調整練習を行った。今大会初スタメンとなったサウジ戦で、代表で自身3度目のハットトリックを決めたFW岡崎慎司、2ゴールを決めたFW前田遼一らが元気な姿をみせ、左足首負傷のMF本田圭佑もチーム練習に合流した。

 キックオフ直後、岡崎が「グリーンファルコンズ(緑のタカ=サウジ代表の愛称)」に襲いかかり、早々と息の根を止めた。大勝の分岐点は、背番号9がぶち込んだ開始早々の2発にある。

 「他の人よりは経験がある。今は若い選手が多いけど、僕は(出場)試合数は多い方。その経験を生かせて良かった」。試合翌日の練習後、岡崎は淡々と、涼しい顔で振り返った。

 冷静な決定力も圧巻だが、その動き出しにすごみがあった。前半8分。左サイドで香川、柏木とつなぐ。柏木がためを作り、遠藤に球を戻した瞬間だった。岡崎はパススピード、遠藤が顔を上げるタイミングを見極め、ギアをトップに入れた。右サイドからダイアゴナル(斜め)にゴール前へ。ダイレクトパスを呼び込み、抜け出した時点で勝負は決していた。

 試合前日にザック監督から直伝された得点のシナリオだった。

 「斜めに入ること。後ろに引きながら、裏を狙うこと。監督に言われたことが生きた」。巧妙にオフサイドラインをかいくぐる、まさしくストライカーの仕事。これでチームの士気も高まった。

 5分後。クロスが入った時はフリーだった。隠し味は直前の駆け引きだった。左サイドで香川がドリブルを始動したところで、右サイドの岡崎は中へと向かいながら、ゆっくりと外側へと膨らんだ。マーカーの死角に潜み、スキをつくった上で空けたスペースを突く。後半35分には技ありの反転から左シュートでトドメ弾。プロの芸当をいとも簡単に並べて見せた。

 カズ(現横浜FC)に並ぶ歴代2位タイのAマッチ通算3度目ハット。敬愛する中山雅史(現札幌)に並ぶ歴代8位の代表通算21得点。ともに誇れる数字だが、岡崎には通過点。プレーすることへの飢えが原動力だ。

 「(ハットの)達成感よりも、もっと試合をしたい。試したいことがいっぱいある」。そう語る姿には、先人たちにも似た貫禄、風格が漂っていた。 (松岡祐司)

 

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