アジア杯サッカー:途中交代にネットで抵抗、騒動に(下)

オーストラリア戦で途中交代の兪炳守がHPで不満を表明、騒動拡大でマスコミに矛先

オーストラリア戦の途中で投入されたもののすぐに交代させられた兪炳守は、試合後に自身のミニ・ホームページに「本当につまらない」(左)と書き込んだが、騒動が拡大すると文章を削除した。その後再び、「ただ自分自身に腹が立った。誤解のないようにお願いしたい」(右)とのコメントを掲載した。

 これまでも太極マーク(韓国の国旗)の重みを無視した選手たちは、スターであっても大きな罰を受けた。大韓サッカー協会の李会択(イ・フェテク)副会長は1977年のワールドカップ(W杯)予選のイラン戦で、崔貞敏(チェ・ジョンミン)監督に交代を告げられると、ロッカールームでスパイクを投げて不満をあらわにし、代表から追放された。

 「毒蛇」と言われたパク・チョンファン氏が監督を務めていた83年にも、朴景勲(パク・キョンフン)や辺炳柱(ピョン・ビョンジュ)などベテラン選手5人が、練習に対する不満から泰陵選手村を無断で抜け出した結果、3年間の資格停止処分を受けた(7カ月後、「恩赦」により大会に復帰)。

 今回の兪炳守の言動について、大韓サッカー協会の趙重衍(チョ・ジュンヨン)会長は18日、「本気で公開抗議をしたのであれば、(代表からの)除名も考えるべき」としながらも「今回の件を抗議として解釈するには無理があるため、公式には問題とは見なさない」と述べた。

 だが、インターネット時代の「新しい抗議の形」に対し、対応策が必要との指摘も出ている。昨年4月にはプロ野球LGの奉重根(ポン・ジュングン)投手の妻が、インターネットに「夫がひどいことを言われて2軍に落ちた」と不満を書き込み問題になったほか、同球団のイ・ヒョンジョンも2軍落ちについて、フロントに向けて「お前とけんかしたい」と書き込み、波紋を呼んだ。

 選手たちによるソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)の利用について、問題を起こさないよう統制する対策は全くない。イングランド・サッカー協会は10日、リバプールのライアン・バベル(24)に対し、SNSで審判の判定を非難したとして、1万ポンド(約132万円)の罰金を科した。

 同協会は「ツイッターなどのSNSは公的な領域であり、言葉が一瞬のうちに大衆に広まるという点を、選手も認識すべき」と助言した。今のところ大韓サッカー協会では、SNSの使用制限などに関する対策を打ち出す動きはない。

キム・ドンソク記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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