2011.1.20 05:00
2012年8月にはじまるロンドン五輪。セーリング競技の日本代表第一次選考(2011年ナショナルチーム選考レース)が、年明け間もない1月4日から9日まで開催された。選考会場に選ばれたのは冬でも水温が高く、強い風が吹くといわれる鹿児島県鹿屋市。ロンドン五輪、また、日本代表を決定する12月のオーストラリア・パースの世界選手権では強風シリーズが予想されている。強風にも負けない選手を選出すべく、同地が選考会場に選ばれた。
5日間続いた選考は、期待通りに北西風が吹き荒れ、寒く、きびしく、そして桜島の火山灰が舞う鹿児島らしい選考となった。消化したレース数は14レース。通常の大会で14レースを行うことはまずない。代表選考だからこそレース数を増やし、本当の実力を見極めようという目的があった。
本選考により5種目24人の2011年ナショナルチームが決定した。このなかで注目は、2人乗り470級男子の松永鉄也・今村公彦組(スリーボンド所属)。松永は北京五輪7位の代表選手で、同種目においてはベテランといえる。彼らを追うのは、若手チームの原田龍之介・吉田雄吾組(アビームコンサルティング所属)。選考ではこの2チームが突出して、最終レースまで一進一退の攻防が繰り広げられた。からくも1点差で松永・今村組が勝利したが、実力は互角とみてよいだろう。
また、470級女子の近藤愛・田畑和歌子組(アビームコンサルティング所属)も注目だ。彼女たちは昨年ワールドカップ最終戦で優勝し、アジア大会では金メダルを獲得している。本選考では、筋力、体重で有利とされる男子に競り勝つ場面もみられた。近藤・田畑組は、いま日本でもっともメダルに近いチームといえる。
選考されたナショナルチームから日本代表が決定する。ロンドン五輪代表選考の火蓋(ぶた)が切られた(文・写真 平井淳一 ヨッティングフォトジャーナリスト)