アジア杯サッカー:難敵イラン攻略の鍵は?
体格・パワーで劣り、最近は4敗2分けと苦戦…プレスにはプレスで対抗を
カタールで行われているサッカーのアジア・カップは1次リーグを終え、韓国は準々決勝進出を決めた。次の相手となるイランとは、1996年から5大会連続で準々決勝で対戦するという「くされ縁」が続いている。
通算対戦成績は8勝9敗7分けでほぼ互角だが、最近は韓国が苦戦している。2006年9月から6回の対戦成績は2敗4分け(PK戦の勝利は、成績上は「引き分け」)で、趙広来(チョ・グァンレ)監督にとっても、就任後初めて負けたのが昨年9月のイランとの親善試合(0-1)だった。
韓国はなぜ、イランに弱いのか。イランは国際サッカー連盟(FIFA)ランキングでは65位だが、体格やパワーが欧州チームに匹敵するほど優れている。サウジアラビアやクウェートのように競り合いを嫌う中東勢とは異なり、激しく当たってくるスタイルだ。
SBS放送のパク・ムンソン解説委員は「韓国は伝統的に、体力があって闘争心の強い相手に苦戦する傾向がある。このため、荒々しくパワーのあるイランにも苦戦することが多かった」と語る。
イランは中盤でのプレスがアジアで最強だ。韓国は昨年9月のイランとの親善試合でも、中盤で主導権を握られ苦戦した。趙監督が目指す速いテンポのパスゲームは全く通用しなかった。
世宗大のイ・ヨンス教授(KBS放送・解説委員)は「どちらが中盤で強いプレスを掛けるかが、勝敗を分ける鍵だ。中盤から強く攻めていかなければ、組織力の高いフォーバック守備を崩せない」と指摘する。
イランのアフシン・クォトビ監督は、韓国代表のビデオ分析担当(02年)やコーチ(06年)を務めたこともあり、これも韓国にとっては嫌な材料だ。同監督は韓国について「選手たちが無駄に走ってエネルギーを浪費している。組織力をもっと高めた方がいい」と指摘した。
イランの攻守の軸になるのは、スペイン・リーグで活躍するMFジャバド・ネクナム(オサスナ)だ。イラン代表の主将であり「イランの朴智星(パク・チソン)」ともいえるネクナムを、強いプレスで封じることが重要だ。
ネクナムのチームメートで攻撃的MFのマスード・ショジャエイも、2列目からの飛び出しと決定力に優れている。ショジャエイは、昨年9月の韓国との親善試合で決勝ゴールを挙げた。だがイランも同じく、韓国を嫌な相手と考えている。
クォトビ監督は準々決勝の相手が決まる前、イランのメディアとのインタビューで「韓国とはできれば決勝で対戦したい」と語り、MFアンドラニク・テイムリアンも「準々決勝ではオーストラリアと当たることを願う」と話していた。
趙監督は19日のインド戦終了後「イランに勝てないなどと思っていては、優勝など口にできない。昨年9月の敗戦の雪辱を果たす覚悟だ」と語った。朴智星は「イラン戦はかなり難しい試合になると思うが、(イランを)怖いと思ったことはない」と話した。
陳仲彦(チン・ジュンオン)記者