サッカーのアジア・カップ第13日(19日、イラク1−0北朝鮮)スタンドに無数の国旗が舞う。カタール在留のイラク人の観客、そして国内外でプレーする代表選手たちが一体感に包まれた。熱狂的な声援を浴びた前回王者イラクが前半の先制点を粘り強く守り抜き、準々決勝への切符をもぎ取った。
戦後復興へ歩を進めるイラクには国内リーグがある。だが施設の不備などでアジア・チャンピオンズリーグへの出場資格を与えられないなど選手の待遇は悪い。当然、好選手は国外へ流出する。
この日ゴールを決めたケラルはイランでプレーし、ムスタファや主将のユーニス、ナシャトらはカタールのクラブに所属する。代表チームでの試合は愛国心を示す貴重な場だ。中東での経験豊富なドイツ人のジドカ監督は「空回りしないよう落ち着かせるのがいつも大変だが、きょうは指示通りに仕事をしてくれた。プロの集団になってきた」と感慨に浸った。(共同)