アジア杯サッカー:イランとの差はシュート決定率
カタールで開催されているサッカーのアジア・カップで1次リーグを突破した韓国は、23日午前1時25分から、ドーハのスポーツクラブ・スタジアムでイランとの準々決勝に臨む。優勝を狙う韓国にとって、イランは必ず越えなければならない「高原」だ。アーリア人の子孫としてペルシア帝国を築いたイランは、国土の大部分が山地だ。
イランに勝つためには、これまでの敗因をきちんと把握しなければならない。2006年以降、イランとの対戦成績は2敗4分けに終わっているが、その拙戦を冷静にひもといてみれば答えが出てくる。6回の対戦で韓国は、シュートは乱発したものの3得点にとどまり、失点は6だった。
■敗因(1)=シュート乱発
記録がない06年11月15日のアジア・カップ予選(0対2で負け)を除けば、韓国は計57本、イランは37本のシュートを放った。つまり、攻撃の主導権は韓国が握っていたが、結果を出したのはイランというわけだ。
大韓サッカー協会のチョ・ヨンジュン技術局長は「体格が欧州勢に近く、テクニックもある。韓国はパワーで押され、苦戦することが多かった」と語る。
■敗因(2)=先制ゴールを許すと勝てない
韓国がイランを相手に先制ゴールを決めたのは、06年9月にソウルで行われたアジア・カップ予選が最後だ。この試合では、前半終了直前にソル・ギヒョンがゴールを挙げたが、試合終了直前の後半47分にハシェミアンに痛恨の同点ゴールを許し、ここからジンクスが始まった。
09年に行われたワールドカップ(W杯)最終予選では、2回の対戦でいずれもイランに先制ゴールを許し、後半に朴智星が同点ゴールを決めた。このように毎回厳しい試合になるのは、イランに戦術を読まれているからでもある。
イランは、伝統的にサイド突破に強い韓国の攻撃を封じるため、サイドのMF陣を強化して試合に臨んできた。世宗大のイ・ヨンス教授(KBS放送・解説委員)は「韓国がボールを支配しながらも、思うような試合ができないのは、サイド突破がイランのDFに止められるため」と分析する。
■敗因(3)=守備ラインを上げて「一発」に泣く
イランが自陣に下がって守備を固めると、韓国はDFもハーフウェーライン付近まで上がって攻撃に参加するが、このとき1度のミスであえなく失点するというのが、これまでのパターンだった。
両チームのカラーは、今大会でもそのまま表れている。総得点は韓国が7点、イランが6点でほぼ互角だが、シュート数は韓国が79本で、イランの31本の2倍以上となっている。
韓国が攻撃的だとすれば、イランは守りの強いチームといえる。イランは1次リーグ3試合での失点がわずか1点で、オーストラリアと並び最小失点となっている。またイランは、チャンスを簡単には逃さない集中力の高いチームでもある。イランの枠内シュート11本のうち、半分以上の54.5%がゴールに結びついている。
ドーハ=陳仲彦(チン・ジュンオン)記者