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【サッカー】

【目撃者】史上最高レベルの戦いの理由は…

2011年1月21日 紙面から

 アジア・カップが実に面白い。私にとってこれが5回目の取材だが、過去のどの大会よりも確実にレベルは高い。全体的に見て、戦術、技術的、フィジカル面でも、大会史上最高のパフォーマンスといっていい。取材の合間やホテルでテレビ観戦をする機会もあるが、欧州のクラブの試合を見るように、普通に楽しめる。

 なぜか。ある傾向がある。8強へ進んだチームのうち、自国人監督は韓国とウズベキスタンだけ。日本を含め、残り6チームは外国人指揮官が率いている。しかも、その多くが欧州のクラブで指導経験を持つ。アジア各国の代表チームへもグローバル化の波が押し寄せているのだ。

 いまや欧州のトップレベルの試合が簡単にテレビで見られる。選手はこうした欧州の最先端のパフォーマンスを見て学ぶ。ピッチの上で、最新のコーチング技術と情報を持った、欧州で実績を積んだ指導者によって鍛えられる。みるみる強くなるわけだ。

 なかでも驚きのチームはインド代表。イングランド人のヒュートン監督に率いられ、3連敗で敗退したが、1PKを含めて3ゴールを決めた。ボールをしっかりつなぎ、組織的で、失点しても最後まで勝負を諦めない選手たちの姿勢は、感動すら呼んだ。

 またこうしたハイレベルの戦いの背景には、このカタールの冬の気候がある。1次リーグの24試合は、どれも気温16〜24度と涼しかった。伝統的に中東のチームは、蒸し暑い気候の中でプレーするため、自陣に深く引いて守り、カウンターを仕掛ける。体力消耗を最小限に抑える戦い方だ。だが涼しいため、カタールやヨルダンなどは、相手の強さによって、攻守のバランスよく戦った。一方、日本や韓国も運動量の多い、十分に持ち味を発揮した戦いができた。

 これで今大会を取材している約2000人の各国のメディア関係者のほとんどは、間違いなく2022年は冬開催を支持するだろう。このハイレベルな戦いは、世界へも大きな影響を与えることになる。

 

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