●悪い記憶よ、さようなら

時には傷になる試合がある。趙広来（チョ・グァンレ）代表チーム監督には昨年９月、ソウルワールドカップ（Ｗ杯）競技場で行われたイラン戦がそうだった。当時、０対１で敗れただけでなく、内容も悪かった。「敵長」のアフシン・ゴトビ監督から「韓国の選手らは無駄な走りが多い」と言われたほどだった。趙監督が今大会の８強戦でイランと出くわしたのを喜ぶ理由も早く傷を治したいからだ。

２０日の練習直後、主将の朴智星（パク・ジソン＝マンチェスター・ユナイテッド）も、「イラン戦に対する良い覚えはない」と話した。現代表チームの選手のうち、イランとのＡマッチで唯一ゴールを決めた主人公が彼だ。０９年南アフリカ共和国Ｗ杯最終予選、イランとのホーム試合と訪問試合で、それぞれ同点ゴールを決めた。しかし、彼は「試合で勝てなかったし、特に訪問試合では私のプレーが良くなかった」と話した。

●新米の太極戦士がイランを下す

今大会で代表チームの攻撃の主軸に位置づけられた具滋哲（ク・ジャチョル＝済州）、池東源（チ・ドンウォン＝全南）は、イランがかえって嬉しい。Ａマッチではなかったが、イランを相手にゴールを決めて勝利した経験がある。昨年、広州アジア大会、イランとの３位決定戦では具滋哲は先制ゴールを、池東源は２対３でリードされていた状況で同点ゴールと逆転ゴールを決めた。

池東源は、「ゴトビ監督が韓国に詳しくても今大会で私は初めて見たはず。アジア大会での記憶を蘇らせて今度も良いプレーを見せる」と話した。４ゴールで得点首位タイに並んでいる具滋哲も韓国の優勝に貢献し、大会の得点王になるためにゴールを決めると意気込んでいる。

●イラン戦を控えてＰＫ−守備練習

イランは組別リーグ３試合で、ＭＦ陣と攻撃ラインで様々な組み合わせを披露した。反面、韓国は毎試合、同じ先発、同じフォーメーションで一貫した。組織力と有機的な呼吸を強調する趙監督が組織力を最高へ引き上げるための準備過程であったわけだ。代表チームはイラン戦を控えての練習で、初めて守備に焦点を合わせた。初めてＰＫ練習もして準備に万全を期した。

イラン戦が自分の９９番目のＡマッチである朴智星は、「韓国は昨年９月、イランに敗れた時よりも一層成長した。イランの守備が強くても多様な攻撃でゴールを決める」と自信を示した。