ベビーブーム世代::人生の黄金期に半分が転職(下)

■地方で育ち都市へ

 ベビーブーム世代は産業化の中心となった世代で、政治的にも激動期を経験した。彼らの多くは80年の光州民主化運動を、自らの人生で2番目に影響を及ぼした事件(8.9%)として挙げ、続いて朴正煕(パク・チョンヒ)大統領暗殺事件(6.7%)、朴大統領夫人の陸英修(ユク・ヨンス)さん狙撃事件(5.9%)、盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領死去(5.6%)、哨戒艦「天安」沈没事故(4.9%)、ソウル五輪(3.9%)、サッカー・ワールドカップ(W杯)韓日大会(1.9%)などと回答した。

 ベビーブーム世代は地方で中学や高校を卒業し、就職のため大都市に移動した都市化世代でもある。彼らの半分以上(54.2%)が地方で育ち、10代(48.1%)あるいは20代(43.9%)で都市に移動した。都市で生活するようになった理由は、仕事(48.9%)、教育(20.5%)、家族の引っ越し(14.1%)などの順だった。

 「コンドリ・コンスニ」といわれる70-80年代の工業地帯での生活文化も、ベビーブーム世代が中心だった。男性の10.6%、女性の18.0%が「10代で初めて就職した」と回答している。

■半分が転職経験あり

 ベビーブーム世代の半分近くは、転職の経験があり、回答者の42.5%が、「以前の仕事あるいは職場をやめた経験がある」と回答した。離職の経験は女性(48.2%)が男性(36.6%)を大きく上回っていた。

 また、全体の25%(男性の29.9%、女性の21.1%)は退職した後、今も仕事を続けていると回答した。すでに「第2の人生」をスタートさせているということだ。彼らは、定年を迎えて引退した後の「第3の人生」にも備えておかなければならない。

 その理由については、退職経験のある男性のうち35.9%が、「勤務していた会社の倒産あるいは解雇」と答え、続いて「賃金が安い」(20.5%)、「自分の事業を始めるため」(16.1%)という順だった。年収2600万ウォン(約191万円)以下では「退職経験あり」が56.3%に達し、所得が低いほど「退職経験あり」という回答が多かった。

 事業に失敗して仕事を転々とし、2005年からタクシー運転手として働いているチェ・ジチャンさんは、「アジア通貨危機を前後したころから、事業のパートナーや友人、社会など周囲の態度は大きく変わった」と語る。「事業がうまくいっていたときにアジア通貨危機に見舞われ、悔しくないか」と尋ねると、「自分たちの世代の運命だからどうしようもない」と淡々と答えた。

キム・ミンチョル記者

郭彰烈(クァク・チャンリョル)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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