2010年11月24日 19時17分
総務省が24日発表した9月末時点の地上デジタル放送(地デジ)対応受信機の世帯普及率は、前回発表時(3月末時点)より6.5ポイント上昇して90.3%となり、初めて9割を超えた。薄型テレビへのエコポイント付与など政策的な後押しにもかかわらず、政府目標の91%を下回ったが、同省は「数字は誤差の範囲。普及はおおむね順調だ」と評価。11年7月の地デジ完全移行のスケジュールに変更はないとしている。
地域別では離島部を抱える沖縄県の普及率が78.9%に低迷。年収別でも200万円未満の世帯が80.3%にとどまるなど依然、地域・収入による格差が大きい。ビルの陰など受信障害地域に設置された共同受信施設のうち、地デジ対応が済んだ比率も70.2%と低水準にとどまっている。
このため、同省は11年度当初予算で約710億円の対策費を投じ、難視聴地域や低所得層対策を進める方針。片山善博総務相は同日の会見で「テストでも100点をとるのは難しいが、これまで以上に力を入れていく」と強調した。【赤間清広】