レアアース:双日が豪からの権益確保…国内年間需要の3割

2010年11月24日 11時17分 更新:11月24日 12時2分

 大手商社の双日が豪州企業から、日本の年間需要の約3割にあたるレアアース(希土類)の権益を確保することで基本合意したことが24日、分かった。政府も、双日に対し必要な資金支援を行う方針。ハイテク部品製造に不可欠なレアアースは今年9月の沖縄・尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件後、主要調達先の中国からの輸入が停滞。日本は官民を挙げて調達先の多様化を進めていたが、今回の権益確保はその初めての具体的な成果となる。

 関係者によると、双日は豪州西部でレアアース鉱山を開発する資源会社「ライナス」から、レアアースの権益を二百数十億円で取得する。日本国内の年間使用量の約3割にあたる8500トンを、10年間にわたって調達できるという。

 同鉱山はハイブリッド車のモーターに使われるネオジムや、デジタル家電に使われるセリウムなど日本企業が必要とするレアアースが豊富に埋蔵されており、有望な鉱山という。政府は、独立行政法人の石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)を通じて取得資金の半分以上を支援する方針。23日、豪州を訪問した前原誠司外相に対し、ラッド外相が「長期的に安定供給する用意がある」と述べていた。

 レアアースは約9割を中国からの輸入に依存。中国からの輸入停滞で産業界の懸念が高まっていた。政府は中国依存を避けるため、10月にベトナムとレアアースの共同開発で合意したほか、モンゴルやカザフスタンなどとも連携を進めている。【井出晋平】

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