ライフ【産経抄】1月17日2011.1.17 02:48

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【産経抄】
1月17日

2011.1.17 02:48

 韓国では、毎年11月に日本のセンター試験に当たる「大学修学能力試験」が行われる。当日は国を挙げて受験生を支援するそうだ。遅刻しそうな学生を、パトカーや白バイで、試験会場に送っていくのは、おなじみの光景だ。

 ▼こちらは寝坊したわけでもないのに、危ういところだった。センター試験の初日の朝、岐阜県高山市の県道で、受験生3人を乗せた路線バスが、乗用車と正面衝突した。同乗していたバス会社の社員が、通りかかった乗用車を止め、会場に送り届けてもらったという。

 ▼事故の原因は、圧雪した道路で、乗用車がスリップしたらしい。きのうは日本海側を中心にさらに大荒れの天気となった。雪国の受験生は本当に気の毒だ。いや、雪の降らない地域の学生だって、インフルエンザの脅威と闘わなければならない。

 ▼他の季節に変えられないものか、といつも思う。米国や欧州、中国などの大学と同じように、9月入学を標準とすれば解決することだ。海外留学や留学生の受け入れにも好都合だろう。先の参院選挙では、自民党が公約のひとつに掲げていた。

 ▼もっとも、機運はなかなか高まらない。桜の花の舞い散る中での入学式は、日本の伝統だという人もいる。4月入学は明治の中頃、政府の会計年度が4~3月に変わったことに合わせたものなのだが。

 ▼ところでセンター試験の国語でも、夏目漱石の人気は根強く、これまで『彼岸過迄』『道草』の2作品が採用されている。もしいつか『三四郎』の冒頭場面から出題されたら、受験生は面食らうだろう。三四郎は暑い盛りに上京して、列車のなかで、広田先生と水蜜桃にかぶりついている。漱石の時代は、9月入学が当たり前だった。

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