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最終更新:2011年1月19日(水) 18時29分

人体の不思議展、厚労省「遺体」との認識

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 全国各地で開催されている「人体の不思議展」。リアルな人体標本そのものに、違法性が浮上しました。厚生労働省は、この標本が「遺体」であるという認識を示し、必要な市への届け出がなかったとして警察が慎重に捜査しています。

 本物の遺体を加工し、標本として展示する「人体の不思議展」。「医学的なテーマや命の素晴らしさを示す」などの評価があり、全国各地で開催、現在は京都で開かれています。しかし、このイベントに違法性が浮上したのです。

 ドイツ人のグンター・フォン・ハーゲンス博士。亡くなった人の体に樹脂をしみ込ませて保存する、「プラスティネーション」という技術を確立しました。

 「標本化はいわば死後の美容サロン。死を越えて続くウェルネスなのだ」(開発者 グンター・フォン・ハーゲンス博士)

 この技術を元に「人体の不思議展」の標本ができたということですが、開催中の京都では先月、保険医協会などが「標本は遺体であり、違法である」と主張、刑事告発もしていました。

 「少なくとも京都市長の許可は全く受けていませんので、手続きの違法があることはまちがいない」(告発したグループ)

 単なる標本なのか、それとも遺体なのか。これまであいまいだったこの問題に対し、厚生労働省は初めて「標本は遺体の可能性が高い」との見解を示しました。この認識に対し来場者は・・・。

 「『遺体』となると・・・申し訳なくなる」
 「それでも見たいというのが『本音』」(来場者)

 京都府警は「死体解剖保存法」違反の疑いもあるとみて、慎重に調べています。

 また、生命科学が専門の大学の名誉教授が、「死体が展示されていて精神的苦痛を受けた」と主催者に損害賠償を求め、20日に提訴するということです。(19日18:03)

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