事件人体展の標本は「遺体」 人体展の標本は遺体か展示物か-+(2/2ページ)(2011.1.19 02:00

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人体展の標本は「遺体」 人体展の標本は遺体か展示物か-

2011.1.19 02:00 (2/2ページ)

 人体標本の提供元についての取材に対し、主催者側は東京都内のイベント会社が中国・大連の研究施設から借りたもので、遺族の承諾も得ていると回答した。

 しかし、献体について具体的な情報提供を求めると、「展示会に関する広報を担当しているだけなので、詳しいことは分からない」と説明。さらに「この件について責任持って答えられる担当者を紹介してほしい」と要請したが、「取材はすべてこちらで受けることになっている」と答えるにとどまり、それ以上の取材は断られた。

 また、主催者について、以前は主催団体として東京のイベント会社や広告代理店などが名を連ねていたが、京都展は実行委員会の具体的な構成団体は公表されていない。公的機関は入っていないとみられるが、取材に対し「詳しいことはお答えできない」との説明を繰り返すばかりだった。

 展示自体の法的問題について、死体解剖保存法では、遺族の承諾があれば、特定機能病院や医学部などで遺体を保存できると明記。それ以外でも医学教育や研究のために特に必要があるときは、解剖した遺体の一部を保存できるとしている。

 同法を所管する厚生労働省医政局の担当者は「『保存』の解釈は難しい」とした上で「あくまで一般論だが、公開展示の時間外は保存に該当する可能性がある。そう解釈すれば、遺体を保存する自治体への届け出は当然必要になる」としている。

 ■人体の不思議展 プラストミックと呼ばれる技術で特殊加工された全身標本や臓器、器官などを展示する企画展。人体構造への理解を深めるイベントとして人気が高く、平成14年以降、各地で開催され、延べ650万人が来場。当初は開催地の自治体、マスコミなども主催・後援した。開催中止を求める動きも根強く、フランスでは最高裁が開催中の展示を中止する判決を下し、米ハワイ州では禁止が法制化されている。

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