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論文盗用:07年の中国人留学生、広大が学位取り消し /広島

 広島大は18日、07年3月に社会科学博士課程の学位を授与した中国人留学生(当時)の女性(33)が他人の論文を盗用していたとして、学位を取り消したと発表した。同大で学位取り消しは初めて。

 同大によると、留学生だった呉明璽(ごめいじ)氏は07年3月7日、中国の中小企業信用保証制度に関する論文で学位を取得したが、211ページ約24万字のうち、駒形哲哉・慶応大経済学部准教授の著書「移行期中国の中小企業論」から約4000字を盗用していた。結論を記した論文の概要では、約45%に当たる約1000字が盗用で、駒形准教授の文章をほぼ写していた。論文は広島市の出版社から505部発行されたが、すべて回収された。

 駒形准教授が09年8月、広島大に盗用を指摘。呉氏は「締め切りに迫られ、引き写してしまった」と認め、審査した教授3人は「全ての論文が頭に入っているわけではないので見落とした」と説明したという。同大は倫理教育の徹底を図るが、関係者は処分しない方針。浅原利正学長は「前例のない事態が生じ極めて遺憾。積極的に外部審査委員を加え、審査体制の充実に結びつける」とコメントした。【中里顕】

毎日新聞 2011年1月19日 地方版

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