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「検察は裁判決着を避けた」 元海上保安官がTVで批判

2011年1月22日22時31分

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 沖縄・尖閣諸島沖の中国漁船衝突をめぐる映像流出事件で国家公務員法の守秘義務違反容疑で書類送検され、不起訴処分(起訴猶予)となった神戸海上保安部の一色正春・元海上保安官(44)=依願退職=が、22日放送のTBS系列の番組インタビューに答え、「(映像は)秘密に当たらないという確信があった。裁判で決着をつけるのが法治国家のあり方。検察はその道を避けた」と批判した。

 番組によると、一色元保安官は不起訴処分となった21日夜に約2時間インタビューに応じた。

 一色元保安官は映像を見た当初、国家公務員法で漏らしてはならないと定める「職務上知ることのできた秘密」との認識はなかったと強調。政府が公開に消極的なことから昨年11月4日、「自分しかやれる人間はいない」と決意し、動画投稿サイトに投稿したという。

 映像流出の目的については「あの海域で起きていることは一般の人には分からない。見て自分で考えてほしかった」と述べた。逮捕される可能性は「いずれはばれる。十分考えていた」と話し、「公務員はこんなことしたらあかんという人もいるが、一日本人、一国民としてやった」と後悔していないことを強調した。

 公務執行妨害容疑で逮捕され処分保留で釈放された中国人船長=21日に不起訴(起訴猶予)=については「何らかの処罰を下されるべき行為。国籍が違うなどの理由で実質無罪になるのはおかしい」と述べた。

 政府が映像流出を問題視する理由として「中国人船長の訴訟に関する資料だから」などとしたことにも言及。「全くの詭弁(きべん)。裁判の資料といっても、現実的に開かれるわけではないのだから。言葉を遊んでいるだけ」と批判した。

 投稿した際の登録名「sengoku38」の意味は「そこは伏せておく。誰にも言っていない。一つくらい秘密があってもいいんじゃないですか」と答えた。

 一色元保安官は自身の映像流出が発覚し事情聴取を受けるようになった後、弁護士などを通じてコメントを出したり、記者の質問に簡単に応じたりすることはあったが、これまで詳細に心境を語ることはなかった。

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