福岡市早良区百道浜。博多湾西部の埋め立て事業により新しい福岡の顔として生まれたこの街も誕生からもうすぐ20年が経とうとしている。
福岡のランドマークとして「福岡タワー」がそびえたち、福岡ヤフードームやホテル、TV放送局そして新興住宅街がならぶ街並みの中に、システム開発企業やIT企業が入居するビル群の一角がある。そこに「福岡コミュニティ放送」のスタジオはある。
同局が放送を開始したのは、平成12年の3月。76.8MHz(メガヘルツ)で福岡都心主要エリアをカバーする「コミュニティFM」だ。その「福岡コミュニティ放送」のステーションネームが18年3月3日をもって「Style FM」へと変更された。
福岡のITベンチャー企業である(株)夢大陸の代表取締役を務める女性経営者・原千春氏が、17年11月に同局の経営権を取得。「女性をターゲットにした、携帯や紙媒体と連動する新しいコミュニティFM放送」として再スタートを切った。
IT企業によるコミュニティFMの経営権取得は、全国でも先駆けとなるケース。その狙いはどこにあるのだろうか?
同社が提唱するのは、FM放送に加え、インターネットと出版(フリーペーパーなどの紙媒体)が融合した、新たなメディア手法の創造だ。放送の即時性、インターネットの双方向性、出版物の視認性など、それぞれのメディアの特性を最大限に生かしながら、それらを融合させた複合展開を行っていこうというものだ。
一般的にAM放送を含め、「県域」と呼ばれる放送エリアの比較的広いFMは、カーラジオでの聴衆を主なユーザーとし、その媒体特性に依拠した広告収入で経営を維持してきた。
これに対し、放送エリアが限られる「コミュニティFM」の大半は、エリアマーケティングなどの導入を試みつつも、経営的には決して成功を収めてきたとは言いがたい現実がある。
しかし、この「Style FM」は、ターゲットをまず女性に絞り、特に携帯電話との連動を強く意識している。携帯電話は単なる通話ツールから、いまやメールやブラウジングを通じて情報ツールの主役に飾りでており、当面その勢いは衰えそうにない。
例えば急拡大しているネットトレーディングの世界でも、PCを凌ぐ勢いで利用されるなど、インターネット自体の領域を新たに広げつつあるのだ。
原社長は、夢大陸において、女性向けのマーケティングにインターネットの技術を応用し、実績を重ねてきた経歴を持つ。インターネットを活用したライフスタイル提案システム「きれい計画.com」など、全国的にも注目されるシステムを開発してきた実績があるからこそ、その手腕に注目が集まる。
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┃代表者: 原 千春
┃所在地: 福岡市早良区百道浜2-4-27
┃業 種: FMコミュニティ放送
┃T E L: 092-433-3539
┃U R L: http://www.768.jp/
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