そういやさ、おいらずーっと前に「地デジ」のことを書いたんだけど(参照→地デジに踊らされるな!)、最近じゃテレビでも「地デジになりますよ〜」なんてCMもポチポチみかけるようになってきて、いよいよ地デジが盛り上がってきたみたいなんだワン。でもさ、ウチのテレビときたら相変わらず昔のまんまなんだよね。ご主人はいつまでたっても「地デジに買い換えるなんてバカを見るだけ」って言ってるし…。 そこでおいらはまた聞いてみたんだ。 「あのさ、ご主人は前に地デジ移行なんて絶対延期だって言ってたけどさ、今もそんな感じなの?」 ご主人はおいらの抜け毛をブラシでぎゅっぎゅっと抜きながら答えてくれた。 「ああそうさ。ま、地デジ完全移行なんて当分は無理だろな。それどころか、今ごろになって業界内でも地デジの問題点が続々と噴出し始めたんだ。政治家やお役人さん達があまり詳しいことも知らずに決めてしまったことが、今になって大変な問題をたーくさんはらんでることにようやく気づき始めたんだよ。もちろん公式にはそんなこと誰も言わないがなぁ。 そういうとご主人はフンと鼻で笑って、おいらの抜け毛をふーっと吹き飛ばしたんだワン。 おいらの毛は、暖かくなると毛が抜けちゃうんだよね〜。 「へー、色々問題があるんだ?」 「そうさ。問題だらけさ」 「たとえばどんな?」 「そうだなぁ、まずは『なんしちょう地域』の問題だ」 ご主人はあいかわらずおいらの毛をぎゅぎゅっと抜いている。 「えっ、なんし町? なんし町ってどこにあるの? おいら聞いたことないなぁ」 おいらがそういうと、ご主人はおいらの頭をバシッとはたいたんだ。 「ポチのバカっ! 『なんし町』じゃなくて『難視聴』だっ! テレビが映らない場所ってことだろ」 ご主人はおいらの毛をふ〜っと吹きながら話し始めた。 たとえば山奥の村なんかではなあ、テレビの電波が届かない地域があるんだよ。今までのアナログ放送では、そういう人のために放送局が中継所やアンテナなんかを立ててあげたりして、テレビが見られるようにしてあげていたんだ。ところが、新しい地デジになると、それらをもういっぺん全部やり直さなきゃならんのだ。なのに、そういう対策が2011年のアナログ放送終了までに間に合わない地域がかなりあるらしいんだな。 「ええっ、本当? そりゃ大変だワン!」 おいらはびっくりしたよ。間に合わないんじゃダメだワン? だろ? そういうとこに住んでる人は、いくら地デジのテレビやアンテナを買ったって今のところ全くのムダなんだ。もちろん、ゆくゆくはそういう人たち見られるようにしてあげるつもりらしいんだけど、工事のスケジュールやその他の都合なんかもあって、2011年までにもう間に合わないことはもうすでにわかっちゃってるらしいんだなぁ。 「えーっ、でもアナログ放送は終了なんでしょ? いったいどうするのさ!」 それでな、仕方ないからしばらくは衛星放送を使った「セーフティーネット」っていう方法で見せてあげるつもりらしいんだけど、その詳細が驚くことにまだな〜んも決まってないんだよ! 「ひょえー、いったいどうするんだワン? あと3年しかないんでしょ?」 でも、おいらがこう言うと、ご主人は涼しい顔をして答えたんだ。 いや、そんなことは大した問題じゃないさ。お役所の偉い人がなんとかするって言ってるんだから、まあきっと急いでなんとかするんだろうよ。そんなことは大した問題じゃないんだ。 「じゃ、大した問題ってなにさ?」おいらはちょっと不満だった。 「じつはな、山奥だけじゃなくて、都会にも難視聴区域ってあるんだよな」 「へー、都会にも山がないのに?」 ああ、都会にも山以上にテレビの電波をさえぎるものがたくさんある。高いビルやマンション、高速道路に電車の線路。そういうもののそばに家があるせいで、普通だとテレビが映らない人って都会に何万人もいるんだよ。 「へーへー、都会だって大変なんだね。じゃあそういう人たちはどうしてるワン?」 どうやら、都会にも山奥みたいな場所がたくさんあるらしい。 それがな、今までは、そういう「難視聴区域」に住んでいる人のために、色々な手段を使ってテレビが見られるような工夫をしてあげてきたんだ。ケーブルテレビで見られるようにしてあげたり、電波が入る高いところに共同でアンテナを立ててあげたりしてな。そういうのを共聴受信って言うんだけどさ、その「映らない原因」になるビルとか建物の人なんかがお金を出してやってあげるのが決まりだったんだ。そういう問題ってのは今までたーくさんあって、色々な人たちが長い間話し合って、長い歴史の中でなんとか解決してきた問題なんだよ。 「へー、色々と苦労があったんだね〜」 おいらはそんなこと知らなかったワン。 そういう人たちって日本全国で何万世帯もいると言われている。だから、あとから引っ越してきた人なんかは、自分たちがそんな受信方法をしているなんて知らずにテレビを見てる人も多いんだ。 「じゃあ、そういう人たちのアンテナも地デジ用に交換すればいいワン?」 ところが、話はそう簡単じゃないんだ。まず、こんどそのお金はいったい誰が出して、誰が工事すればいいんだよ? 「うワン? そういえば誰の責任なんだろね?」 おいらは思った。だって、こんど地デジになるのは政府が決めたことなんだよね? それでまたお金出さなきゃいけないってのもヘンな話だワン。 今までは問題の原因となってるビルやマンションの所有者が責任をもってやっていたんだけど…、もちろん責任の所在がはっきりしているビルなんかは問題ない。でも、いったい誰が管理してるのかよくわからない共同アンテナなんかもたくさんあるらしいんだ。共聴アンテナなんて立てたのは昔の話だからな、マンションなんかでは立てたときと違って管理はマンションを買った所有者たちがやらなきゃいけない場合もあるし…、もうわけわかんない状況なんだよ。 「クゥ〜ん、またそれも困った問題だワンー」 じつはおいらにもよくわかんなかったけどさ、とにかく大変らしい。ご主人は続けた。 でもな、そんなこと大した問題じゃない。アンテナを誰が立てればいいかなんて、そんなこと誰かがうまく話し合って決めればいいことさ。そんなこと俺の知ったこっちゃない。きっと3年以内にみんながうまくやるんだろうよ。 「えーっ、またまた。それじゃなにが大したことあるのさ?」 ご主人はまたまたいいかげんなこと言ってるみたいだ。 仮にだ、まあなんとかちゃんと話し合って、アンテナを立て替えることが決まったとしよう。でもな、じつはな、今までのテレビが映らない場所と、地デジが映らない場所は微妙に違うんだ。 「えっ、だって今までテレビが映ってた人は、地デジだって映るはずじゃワン?」 それが違うんだよ。じつは難しい話になっちゃうんだけどな、今までのテレビの電波と、地デジの電波ってのは種類が違うんだ。 「おいらにゃよくわからないけど、それがいったいなんなのさ?」 まあ聞けよ。今までのアナログテレビの電波ってのは、建物の陰とかでもなんとなく映る場合も多かったんだ。それが地デジの電波ってのは、より障害物に弱いんだよ。 「えっ、だって地デジの宣伝で『地デジは受信障害に強い』って言ってたよ!」 それは単なる宣伝のためのイメージだ。確かに「ゴースト」っていう種類の受信障害(像が二重に映ったりする)に対しては強いから、その障害があった場合でも地デジはきれいに映る。でもな、電波が弱かったりした場合の受信障害にはむしろ今までより弱いぐらいだ。地デジの電波ってのは、今までの電波より「直進性」ってのが強いから、障害物の影では今までよりもっと届きにくいんだよ。 これまたおいらにゃ初耳なことだったワン。 「…ってことは、受信障害になる人が増えるかもしれないってこと?」 おお、ポチもなんとなくわかってきたか! じつは、今まで普通のテレビが映っていた人でも、どこかのビルのせいや山のせいなんかで地デジが見られない場所が出てくるってことさ。じっさい、今まで目の前にちょっとした丘があってもテレビが映っていたのに、地デジだと丘のせいでまるっきり映らなくなるケースが出ている。なのに、そういった地デジの受信障害が出る場所ってのは、今のところまだよくわかってないんだ。 「えっ、でも地デジの説明に地デジが映るエリアはここですよ〜って書いてあったワン!」 「チッチッチ!」そういうとご主人は指をおいらに向けて振った。 甘いなぁ、それはあくまでも「地デジが映る『はず』のエリア」なんだよ。地デジにしたときに本当に映るかどうかは、じつは「アンテナを実際に立ててみないとわからない」んだ。だから、その状況なんてだれも把握してないさ。 「え〜っ! ……ってことは、地デジ買ってもだめな人も出てくるわけ?」 そんな話っておかしいワン! おいらはめちゃくちゃ不満だったよ。 ああ、その通りだな。それが「地デジを買ったのに地デジが映らない問題」だ。マスコミは誰も言わないことなんだけどさ、地デジテレビを買ってアンテナも取り付けたのに、地デジが映らない人ってのが相当数発生してるんだよ。実際に苦情がものすごい勢いで増えているらしいぜ。これはそのうち大問題になるだろうなあ。 そういうと、ご主人はニヤニヤ笑っている。 「え〜っ、そんなのサギみたいなもんだワン?」 おいらは腹が立った。だって、おいらが地デジ買っても映るかどうかは、やってみないとわからないってんだからね! まあそうなるかもしれないな。今までは普通のテレビが見られたのに、地デジのテレビとアンテナを買ったら全然映らなくなっちゃったなんて、それはもう腹が立つ話だろうな。実際そういう人はもうかなり出てきている。でも、いったいそれはどこなのか?誰がそうなるのか?まだ全然把握できてないんだ。 現実に最近になって「地デジテレビを買ったし、アンテナも立てたのに映らないぞ!」って苦情が、電気やさんにもすごい勢いで増えているらしい。電気屋さんではそんな詳しい説明してないからな。「受信エリアだから大丈夫ですよ」なんていい加減なこと言って売っちゃってたりする。でも電気やさんだってかわいそうさ。電気やさんは地デジのことを決めた人に従ってるだけだからな。 ご主人はプリプリ怒っている。 「じゃあ、怖くて地デジテレビなんて買えないワン!」 おいらはワンワン吠えたよ。 そうさ、じつはそれもあってウチは地デジを買ってないんだ。ウチの近所の人はまだ誰も地デジ買ってないからな。地デジのアンテナを建てても本当に映るかどうかはわからない。だからさ、俺はもし地デジテレビを買うとしても、隣近所の人がみんな地デジを買って実際に映ってることを確認してから買おうと思ってるんだ。大きな声じゃ言えない話だが、そうしないとあとで大損しちゃう場合があるからなー。 「えーっ、ご主人ったらズルいなあ」 「うひひひ〜、まあいいじゃないか。でもじつはそんなことは大した問題じゃない。じつはウチにはそれよりもっと重大な問題がからんでるんだよ。ウチだけじゃなく、東京都やその周辺に住んでいるよい子のみんなにとっては、ものすごーく重大な大問題があるんだ」 そういうと、さらに主人たら意地悪くニヤニヤ笑っているんだワン。 「ものすごーく重大な問題ってなにさ?」 おいらはいいかげん、本当のところを知りたくなったよ。 「ポチは『新東京タワー』って知ってるか?」 「えっ、あの東京タワーが新しくなるの?」 あの真っ赤な東京タワーが新しくなるなんて、おいらには初耳だったんだ。 そうなんだ。じつは今あそこに立っている東京タワーは古くなっちゃったもんで、新しいタワーを建てるんだよ。それはそろそろ建設が開始されて、2012年に運用が開始される予定だと言われているさ。 「へー、そうなんだ。なら新しい地デジの電波はそっから出すんでしょ?」 もちろんそうだ。ところが…だ。新東京タワーってのは、今の東京タワーとは別の場所に立つんだよ。 ご主人は相変わらずもったいぶった言い方をしている。おいらはじれったくなったよ。 「今の東京タワーは東京都港区ってとこにあるんだワン?」 そう、ポチもよく知ってるじゃないか。ところで新しいタワーは墨田区ってところに立つそうだ。ところで、新しい東京タワーの運用開始は2012年、いっぽう地デジ移行(予定)は2011年…とすればだ。…なんか気にならないか? 「クゥ〜ん、おいらにゃよくわからんワン」 ご主人が何を言いたいのか、おいらにさっぱりわからない。 もう早く核心を教えて欲しいワン! 前にも言っただろう。新しい地デジの電波はアンテナの向きがシビアなんだ、電波を出す場所がちょっと変わっただけでも、ちゃんとアンテナの向きを変えなけりゃならん。ところで、地デジへの移行は2011年。新東京タワーの運用開始は2012年。ってことは? 「ってことは?」 ……ってことは、だ。せっかく今地デジを見られるようにってテレビを買って、アンテナも調整してもらった人が、2012年に新東京タワーになったら、ま〜たお金を払ってアンテナの向きを変えてもらわなければならないんだよっ! 「ワワワーっ、それは大問題だワン! そんなの悪質商法みたいなもんじゃ?」 まったくさ、高いお金を出して地デジテレビを買わされて、新しいアンテナを付けてもらってさらにお金払って、こんどは新東京タワーができたら、まーたまたお金払ってアンテナの向きを変えてもらわなければならないんだ。東京に住んでいるよい子のみんなにとってはもう馬鹿げた話を通り越して、口があんぐり開いて戻らなくなっちゃう話だろう?(※ちなみにご主人曰く、東京の人全部ではないらしいワン。とくに困るのは港区と墨田区にはさまれたあたりや、それとその北や南にあたる所に住んでる人らしいワン!) それに加えてさっきの難視聴地域の問題だ。当然、難視聴地域ってのは、電波を出すタワーの位置によって変わってくる。…ということはだ、今は地デジが見られるのに、場所によっては新東京タワーになると難視聴地域になってしまう(見られなくなっちまう)場所も存在するんだ! 「ええ〜っ、それもまたまた大変だワン!」 それもまた大変な話だ。だって、東京タワーのときはテレビが見られたのに、新しいタワーで見れなくなるなんてさ。 さらに話がややこしくなるのはな、今、東京タワーの地デジ電波に合わせて難視聴エリアの問題を解決している人たちにとっては、新東京タワーになるとそれらは全部白紙に戻ってしまう。2012年になったらそんな対策をやらなくてよかった場所ってのも生まれてくる。結局、色々苦労したのにまったく意味がなかったものになる人もいるんだ。相当馬鹿げた話だろう? 今、せっかく地デジの機械を買って、色々な労力をかけて難視聴を解消してるっつーのに、新東京タワーになると全部リセットして考えなおさなけりゃいけなくなっちまうんだから、、、そ〜んな馬鹿げた話があるかいっ! 「うワ〜〜ン! もうなにがなんだかさっぱりわからんワン」 おいらは頭がこんがらがって、なにがなんだかさっぱりだったよ。 そうなんだ、じつは地デジを進めているお偉いさん達にも、もうなにがなんだかわからなくなっているんだ。…というか、そんな重大なことに気づいてるのはごくごく一部の人だけで、多くは「なにがなんだかよくわからないことになってることさえわかっていない人」ばっかりなんだけどな〜。ぐぁっははは〜〜 そういうとご主人は大口をあけて笑ったんだ。こういうとき、ご主人たらすごく意地悪なんだワン… 「ひ〜ひっひひひ」 ご主人は大口を開けて笑いながらさらに続けたよ。 「それにな、、、じつは地デジは最近になって、またまた新しい大問題が発覚したんだ」 ご主人はまだククッと笑いをこらえている。 あまり世間には知られてない話なんだがな、地デジになると聴覚障害の人が困ってしまうんだよ。 「聴覚障害の人?」 これもおいらには初耳な言葉だった。 そうなんだ。聴覚障害ってのは、耳が聞こえなかったり、聞こえにくいというハンデをもつ人たちのことだけどな、聴覚障害の人はテレビを見ても音が聞こえないから、テレビの画面に字幕とか手話とかそういうのを乗っけてあげるシステムがあったんだ。「アイ・ドラゴン」というシステムらしいんだがな、全国の聴覚障害の人は、この「アイ・ドラゴン」のおかげで、テレビの緊急放送とかを字幕や手話付きで見ていた人も多かったんだ。 「へぇ〜便利なものがあったんだねぇ」 おいらは今まで知らなかったよ。するとご主人は渋い顔をして言った。 そうなんだ、便利な機械があったんだ。それがさ、地デジになると今まで使っていたこの機械がぜーんぶ使えなくなっちゃうらしいんだよなぁ。 「ええ〜っ、それもかわいそうな話だワン! どうにかならないの?」 おいらはまたまた驚いたよ。 いやー、それが笑っちゃうのがさ、地デジ関係者も、聴覚障害者向けのそういうシステムがあるなんて、つい最近まで知らなかったんだよ。ひーっひっひっ。 そういうとご主人はまたも腹をかかえて笑い転げた。 「それはまったくひどい話だねぇ」 おいらは笑い転げるご主人のほうがひどいと思ったワン。 だろ? 「地デジは未来のテレビ!」なんて言っておきながら、障害をもつ人のことなんてこれっポチも考えてなかったことがバレちゃったんだからな。あきれたもんさ〜。だから、それを今後どうしていくかなんて、まだ、なーんにも決まっちゃいないんだ。ま、たぶん税金を投入して新しい機械買ったりするんだろうけどな! 「えっ、また税金使うの? 税金って足りなくて困ってるんじゃないの?」 おいらは心配になってしまった。だってこの前テレビで政治家さんが、税金が少なくて困ってるって嘆いてたからだ。 でもご主人はさらに涼しい顔をして言ったんだ。 心配無用さ、地デジにはよい子の税金が総額2000億円以上も投入されるってんだからな、それぐらい「はした金」さ。きっとなんとかなるんだろうよ。 「え〜っ、に、に、2000億円! おいらそんなお金大きすぎてよくわからんワン!」 おいらには想像不可能なお金だったよ。でもご主人にはなんてことないらしい。 「そうさ、少なくとも2000億円。実際はもっとだろうって言われている。それがよい子のみんなから集めたお金で使われるんだ。きっとうまく行くんだろうよ」 そういうとご主人は涼しい顔をして、おいらの毛を集めて袋に入れている。 でもな、さっきの難視聴区域の問題にしても、新東京タワーの問題にしても、聴覚障害のシステムの問題にしても、実際にそれらをどうするかなんて、まだなーんにも決まっちゃいないんだよ。おっかしいよなぁ。そんな状況で2000億円で足りるのかなあ? おまけにあとたった3年ですべてを解決できるのかなあ? さらにおまけに今回ここでは書かなかったがな、ダビング10問題やら、B-CAS問題やらなんやら他の問題も色々山積みなんだよなあ。どうするんだろうなあ?? そういうとご主人は立ち上がった。 ま、いずれにしてもだ。そんな状況だから、賢い人は地デジテレビなんて絶対に手を出さない。そうなると当然、地デジの普及は頭打ちだ。普及が頭打ちってことは…どうなるか前にも言っただろう?(その理由は→「地デジに踊らされるな」を見よ!) そういうと、ご主人はニヤニヤ笑っている。 なのに、だ。これだけどんどん噴出する大問題があるにもかかわらず、総務省は「2011年にはアナログ放送を絶対に終了します!」と言い張っている。でも、関係者は口に出しては言わないが、みんな心の中で「そんなの絶対無理だよなぁ〜」と思っているのが実情だ。そして踊らされるのは、何もしらないよい子のみんなだけってこと。それが悲しい現実なんだよ。 なにも俺はよい子のみんなに「地デジを買うな」とは言わないさ。ただな、必要ない人は急いで買わない方がいい、ギリギリまで待った方が損をしなくてすむよ、ってことだけは確かなんだ。とにかく今は未解決のことが山のようにあって、これから地デジの仕様が変わってしまうことが山ほどある。それなのに今売ってる地デジを急いで買うなんて、お金をドブに捨てるようなもんだってことなんだ。 もちろん、今『やっぱり延期します』なんて言ったら、ますます誰も地デジを買わなくなって普及率が落ちるし、総務省のメンツは丸つぶれだからな。ポチもそこのところ察してやれよ。 でも心配することはないさ。これだけ問題があっても、地デジのことをやっている人たちはみんな一流大学を出たエリートさんたちばかりなんだ。だから、問題だらけでもきっとすばらしい名案を考え出して、ぜーんぶきれいさっぱり解決してくれるさ。そうだろ? そういうとご主人はおいらの綱を引っ張って、おいらの背中を勢いよくバーンとたたいた。そして 「まっ、俺は地デジなんてテレビが壊れたって絶対買わないけどな、がははは〜」 …そういって高笑いしたんだワン。 |