ソマリア海賊:運命懸けた李大統領の作戦承認(上)

 「困難な作戦であることは分かっている。しかし、やらなければならず、れわれの将兵たちはやり遂げると信じている。韓国大統領として、今回の作戦を承認する。1人の犠牲者もなく完遂することを望む」

 李明博(イ・ミョンバク)大統領は20日午後5時12分、金寛鎮(キム・グァンジン)国防部長官に対し、ケミカルタンカー「サムホジュエリー号」(1万1000トン)乗っ取り事件の人質解放を目的とする「アデン湾黎明(れいめい)作戦」を承認した。

 李大統領は21日、作戦成功後に発表した国民向け談話で、「誇りある清海部隊の将兵たちはやり遂げた。わが軍は困難な条件下でも完ぺきに作戦を完遂した」と述べた。その上で、「われわれにとって最も重要なことは国民の生命と安全だ。今後も、韓国国民の生命と安全を脅かすいかなる行為も容認しない」と強調した。

 韓国大統領府(青瓦台)の金姫廷(キム・ヒジョン)報道官によると、李大統領は今月15日、サムホジュエリー号が乗っ取られた直後、「海賊には妥協しないという先例をつくらなければならない」と指示したという。最初から「交渉」ではなく、「作戦」を決心していた格好だ。そうした決心するに至った直接のきっかけは、昨年11月に身代金950万ドル(約7億8400万円)を支払った「サムホドリーム号事件」だった。

 大統領府関係者は「海賊側は当時、身代金を公表し、われわれ(韓国政府)をあざけった。李大統領はそれを韓国に対する国際的な侮辱だと受け止め、再びそういうやり方で解決してはならないとの意向を関係官庁に伝えた」と説明した。

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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