学生のための社会人準備応援サイト マイコミフレッシャーズ

  • [PR]
  • [PR]
仕事の4番打者が語る  ビジネスヒーローインタビューVol.06 シナリオライター 竜騎士07さん 自分に合った表現方法を探すため、約10年試行錯誤を繰り返した
爆発的ヒットを記録した同人ゲーム『ひぐらしのなく頃に』の原作者として知られる、竜騎士07さん。もともとは公務員をしながら趣味のゲーム作りに取り組んでいましたが、作品のヒットを受けて、シナリオライターとして独立することとなりました。そんな竜騎士07さんの、「ものづくり人生」とは? 名作『ひぐらしのなく頃に』が生まれるまでの紆余曲折について語っていただきました。
―ゲームのシナリオライターや小説家としてマルチにご活躍されている竜騎士07さんですが、小さい頃から、文章を書くのはお好きだったんでしょうか?

文章を書くのが好きというより、物語を考えるのが好きでした。でも、部屋に閉じこもってひとりで空想ばかりしているとか、誰とも話さないでひたすら絵を描いているとか、そういう特別な子どもではありませんでしたよ。
私が小学生の頃は、ちょうどアニメやファミコンの全盛期。ごく普通に『ドラえもん』や『Dr.スランプ アラレちゃん』といったアニメを見たり、ファミコンで『ドラクエ』をプレイしたりしていました。そのうち「ああ、自分も物語を作ってみたいなぁ」と思うようになっていったんです。そういう気持ちって、誰でも一度は持ったことがあるものなんじゃないでしょうか。なんというか、ごく自然な欲求だと思います。

―しかし、そう思うだけで終わってしまうか、実際に物語を形にするかでは、大きな違いがありますよね。

そうですね。私はアニメやゲームに触れているうちに、物語の作り手になって、人に伝えたいなと本気で考えるようになってしまったんです。けれど、物語をどういう方法で伝えたらいいのかがわからなかった。イラストなのか、漫画なのか、それともゲームなのか……。この辺りはかなり迷いましたね。「文章なら書けそうだ」と思い至ったのが20代の中盤頃だったので、それまでの10年くらいは「自分に合った表現の方法」を模索し続けていたように思います。

―具体的にはどんな表現に挑戦されたんですか?

一番長いことこだわり続けていたのが漫画を描くということでした。アニメやゲームで育ってきたので、「物語を表現するなら漫画やイラストだろう」という思い込みがあったんでしょうね。
ところが私は、あまり漫画が上手じゃなかったんですよ(笑)。下手なりに一生懸命描きましたし、同人誌を出したり、美術系の専門学校に通ったりもしましたが、どうにもこうにも芽が出ませんでした。「物語=漫画・ゲーム」みたいな呪縛から解放されるには、かなりの時間がかかりましたね。
そんなこんなで迷走しまくっていたんですが、たまたま知り合いの声優さんがお芝居に出演するという話を聞いたのをきっかけに、舞台演劇というものに興味を持つようになって……。なんだか面白そうだと感じて、戯曲(芝居の台本)を書いてみることにしたんです。それが、『ひぐらしのなく頃に』の原型になった『雛見沢停留所』というお話。知人の舞台を観た直後にバババーッと書き上げて、すぐとあるシナリオコンテストに送りました。素人が勢いに任せて書いた作品だったので、見事に落ちてしまいましたけどね。

―えっ、落ちてしまったんですか?

はい。箸にも棒にもひっかかりませんでした(笑)。でも、もしこのとき、シナリオコンテストで賞かなんかもらっていたら、私は戯曲家になっていたかもしれません。
その後、「サウンドノベル」というジャンルの、小説みたいなゲームがあるということを知りました。たまたま弟がサウンドノベルの勉強をしていたこともあって、「よし、それじゃ次はサウンドノベルのシナリオを書いてみるか」と。

―なるほど。それで紆余曲折の末に、20代半ばで、文章やサウンドノベルに行き着いたということだったんですね。

ええ。ちなみに僕がサウンドノベルに興味を持つきっかけになったのが、コミックマーケットで販売された『月姫』というゲームでした。とある同人サークルが作った完全オリジナルのサウンドノベルだったのですが、これがすごく話題になった。プロではなく有志の集まりが作ったもので、しかもコミックマーケットという限られた場所で販売された作品なのに、これだけの評価を集めたということに、とても驚いたことを覚えています。実際内容も素晴らしいものでした。これに勇気付けられて「よし、僕も精一杯頑張って、自分の作品を作ってみよう!」と思ったわけなんです。それで、『雛見沢停留所』をきちんと整理して、『ひぐらしのなく頃に』のシナリオを書き上げたんです。

写真:坂萩馨 インタビュー:佐々木由香
Profile

シナリオライター 竜騎士07さん

1973年生まれ。公務員を経て、現在はシナリオライター。
創作サークル「07th Expansion」代表。
趣味の創作活動として2002年よりコミックマーケットにて発表していた、サウンドノベル『ひぐらしのなく頃に』が口コミなどで人気に。ドラマCD及び漫画、アニメ、小説、実写映画化など広がりをみせる。
代表作に、サウンドノベルゲーム『ひぐらしのなく頃に』、『うみねこのなく頃に』、小説『ヴェロキア竜騎兵物語 』(少年アルケミスト)、漫画『怪談と踊ろう、そしてあなたは階段で踊る』(原作・監修。作画・野沢ビーム)(講談社)などがある。

Imfomation
2007年夏に開催されたコミックマーケットにて、待望の新作『うみねこのなく頃に』を発売。

販売店舗や今後の続編情報などの詳細は公式ホームページをチェックしよう。
公式ウェブサイト07th Expansion
★インタビューを記念した直筆サイン色紙プレゼント実施中。応募はこちらから。

新着情報

編集部オススメ

ケータイからCHECK!! 外出中はマイコミフレッシャーズモバイルで。