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きょうのコラム「時鐘」 2011年1月22日
「踏まれてもついて行きます下駄の雪」。かつて、政権党に密着し続けた小政党をからかう言葉があった。今も連立政権の中で、対象の政党名を変えて使われている
映画「武士の家計簿」で有名になった「ごっぽ石」は、下駄の歯にはさまった雪をコンコンとたたいて落とすための石である。雪国の、それも下駄を履いた記憶のある年配者でないと理解しにくいが、今でもたまに見かけることがある 雪と下駄の関係は政党だけではない。政治が下駄で、カネが雪になることがある。きれいな雪の庭先を歩く下駄の下に汚れた雪がこびりついている。あるいは、政党が下駄で、しがみつく議員を雪に例えてもいいケースがある 下駄を履かずに、素足で雪の上に放り出されては死ねと言うに等しい。政倫審や証人喚問という「ごっぽ石」でたたき落とされそうになっても、離党勧告があっても、党にしがみつくしかない だが、いかがわしい政治家の家計簿に見る汚れた雪はどこまでふるい落とせるか。転びそうで転ばない東北岩手の雪に慣れた強者である。刀を抜く場面のない「平成の時代劇」の幕開けが近い。 |