挺対協週刊ニュース227号

12月6日(月)～12月12日(日)

報告：ユン・ミヒャン

翻訳：米川智恵子

12月6日（月）

1. 12月12日に予定している挺対協後援の夕べの準備で事務所は深夜まで明かりが絶えませんでした。20周年記念新聞製作の為に記事を書き、広告後援をお願いし、チケットを売り、会員の日と後援の夕べの記念式を準備し、メニュー表を作り…大忙しです。

2. 「ウリチプ」で書道教室がありました。キル・ウォノクハルモニは今日、書道教室でとても素敵な絵を描きました。火曜日は園芸治療教室があります。園芸教室では「ウチリプ」でクリスマスツリーの組み立てもしました。ハルモニたちは幼い子どものようにワクワクしていました。

3. 釜山の機張郡で推進している「親日女性パク・スンチョンの生家復元と記念事業展開」に関して「パク・スンチョン記念事業推進の撤回」などの挺対協の立場を発表しました。機張郡守は親日女性として名高いパク・スンチョンの生家復元及び記念行事に関して公聴会や市民世論の反映を要求した郡議員の発言に対し、既に議会で承認された事項であり、これ以上再考の余地はないと黙殺しました。更に、パク・スンチョンの過去の過ちに対して、既に過去に起こった事件を持ち出して何故ああだこうだ言うのだというような対応で一貫しています。プサンの女性団体も声明を発表し「パク・スンチョン女史は、日本軍の戦争協力を目的とした組織化された親日団体である『軍需資材献納運動』を展開した皇道学会の発起人であり、皇道思想と精神補填運動など、神社参拝を主張する講演会活動を率先して行った代表的な親日派の人物です。それを、民族的なものを超えた女性指導者として打ち立てようという、機張郡の没歴史的態度は理解不能である」という声明を出しました。

機張郡議会の人が事務所へ電話をしてきて、「そちらは共産主義団体ですか？」と抗議をしてきました。何故誤った歴史をそのまま繰り返そうとするのでしょう…親日派に対して抗議しただけでも、もはや共産主義団体だと適当な事を言う人々がいるなんて…

12月8日(水)

1.第947回水曜デモが全国女性連帯の主管で行われました。今日の水曜デモはクリスマスの雰囲気たっぷりでした。全国女性連帯が「慰安婦」ハルモニたちと共に過ごすためにクリスマスツリーを準備してきたからです。歌もクリスマスキャロルの曲に日本軍「慰安婦」問題と関連した歌詞の替え歌で歌いました。

全国女性連帯の会員たちは、デモが始まる前にあらかじめ替え歌の練習をしていました。12時の定刻になるとカン・ギョンナン全国女性連帯事務局長が力強い声で第947回水曜デモの始まりを宣言しました。「岩のように」の歌に続いてユン・ミヒャン代表の経過報告がありました。

挺対協20周年行事に参加された方に感謝の挨拶を伝え、来たる日曜日に後援の夕べがあることも告知しました。また、日本政府が一日も早く日本軍「慰安婦」問題解決の為の立法的・行政的処置を行えるよう、韓国政府と国会が積極的に率先してくれるよう働きかける運動がより切実に必要な事を強調しました。最後に淋しいお知らせがありました。大邱に住んでいたシム・ダリョンハルモニが、あんなにも望んでおられた日本政府からの謝罪と賠償を受けられないままお亡くなりになったという知らせです。ハルモニへの追慕は、ハルモニは逝ってしまわれたけれど、ハルモニの思いを私たちが忘れずに一日も早く実現できるように努力する事ですと、一緒に努力していきましょうと叫びました。

全国女性連帯の活動家たちと一緒にクリスマスキャロル「泣いてはダメ」の歌の替え歌を力強く歌いました。「意地を張ってはダメ～意地を張ってはダメ～、サンタさんは意地を張っている子どもにはプレゼントはくれないわ、サンタさんは知っている、戦争「慰安婦」は世界中のみんなが知っている事、過ちを認めて補償すべきものはキチンとして、サンタさんは全て知っている、意地を張ってはダメ、意地を張ってはダメ、サンタさんは意地っ張りにはプレゼントをくれない～」本当に力強く歌い上げました。

学生の参加者たちの自由発言とリュウ・ウンスクソウル女性連帯代表の力強い発言で、この寒さにも関わらずデモの雰囲気が熱くなっていきました。最も盛り上げたのはキル・ウォノクハルモニでした。「ありがとうという言葉以外に何か言えることがあるでしょうか？」と始めると、日本政府の無反応と日本大使館の無回答に対して手厳しく叱りつけ、デモに参加した人々に、平和と正しい歴史の為に一生懸命努力してくださいと訴えました。キム・パンス先生はいつも通り、第1000回目の水曜デモになる2011年12月14日、日本大使館前に平和の記念碑を建てましょうと呼びかけ、その為に先週の水曜デモに参加してくれた方々が集めてくれた募金の報告をしてくださいました。

最後に参加者みんながハルモニたちにクリスマスカードを書いてツリーに貼り付けました。どのツリーよりも素敵で平和的なツリーになりました。その心温まる気持ちを整理して声明書を朗読し、水曜デモを終えました。

2. 日本の戦後補償議員連盟に参加・活動している日本の国会議員たちが「ウリチプ」を訪問し懇談会を持ちました。水曜デモが終わった後、ハルモニたちと一緒に凍える体を温かい食事で暖めました。食事が終わるとすぐ鐘路にある事務所には移動せず、忙しなく西大門にある「ウリチプ」へ向かいました。「ウリチプ」には日本から国会議員の方々が訪問することになっていたからです。しかし、私たちより先に到着して玄関の門の外で待っているところに遭遇しました。門を開けて中に入り、ユン・ミヒャン代表が居間へと案内し、その居間を装飾している飾りの数々は、ハルモニたちが園芸治療プログラムと美術治療教室で作った作品を展示したものだと説明しました。

歓迎の挨拶と一緒に「ウリチプ」に一緒に住む4名のハルモニたちも紹介し、韓国の生存者たちの状況についても説明しました。日本の国会議員たちもハルモニたちに挨拶をし、ハルモニたちにまだ解決を届けられない事に対して申し訳ないという言葉もくださいました。キム・ボクトンハルモニは日本政府が当然しなければならない謝罪と賠償をしてほしいと要求しながら、この年老いた被害者を毎週水曜日に道に立たせることは日本政府と国会議員が恥ずべき事であると指摘し、今日のように寒い日にも私たちは水曜デモをしてきたと、これ以上生存者が死ぬ前に、一日も早く問題解決を見ることができるように努力してほしいと要請しました。キル・ウォノクハルモニは「被害者たちがみんな死んだからといってこの問題が解決するわけではなく、私たちが死んで一人もいなくなったとて、日本政府がこの問題をきれいさっぱり解決しなければ真の解決とは言えない。私たちが死んでも若い世代が続いてくれるから、時間稼ぎをせずに早く解決しろと日本政府に伝えてください」と要求しました。水曜デモが終わってから頭が痛いとおっしゃっていたイ・スンドクハルモニがちょうど病院から戻られました。ハルモニは頭を下げて挨拶をし、2階のハルモニの部屋へ戻ってしまいました。ハルモニのこの簡単な行動だけでも、私たちに日本軍「慰安婦」問題解決の緊急性を実感させてくれました。

日本の国会議員は日本に戻れば一生懸命「慰安婦」問題解決の為に努力すると言ってくれました。ハルモニはこれまで「ウリチプ」の園芸治療教室で作った石鹸をプレゼントし、キル・ウォノクハルモニが書道教室で作った「女性の人権と書いた私の絵」をプレゼントしました。プレゼントを受け取った方々が喜んでくださる様子は、ハルモニたちにも自負心を与えました。

12月9日1(木)

1. ハン・クギョム共同代表はイ・スサンハルモニを連れて今日ドイツで行われるキャンペーンに参加するため出国されました。ハン・クギョム共同代表がインターネットのフェイスブックを通して活動の様子をアップデートしてくれました。この報告はハン・クギョム代表がアップした報告を編集したものです。

今日、日本軍「慰安婦」問題の証言と連帯の為にハルモニをお連れしてドイツへ行きます。還暦を超えた私が80歳を超えたハルモニを連れて回るというのは少しおかしな光景ですが、母を連れて回る気分で行こうと思います。しかし、どうしたことか！ドイツの大雪は他人事だと思っていましたが、午後2時45分、フランクフルト行きの飛行機が欠航。明日の2時からケルンでプログラムが始まるのにどうしよう？情報を頼りに結局は香港を経由して行くことにしましたが、仁川空港で5時間待たなければならなくなりました。イ・スサンハルモニがお疲れにならないか心配です。遅い昼食をとり、持て余した時間をつぶす為にアイスクリームを買ったりしましたが、それでも時間はゆっくり過ぎますね…。

12月10日(金)

1． 故イ・ヤングンハルモニの冥福を祈ります。午後4時42分、益山(イクサン)に住んでいた日本軍「慰安婦」被害者イ・ヤングンハルモニがお亡くなりになりました。これで今年8名のハルモニがこの世を去られました。ハルモニの冥福をお祈りします。

2. ドイツキャンペーン：イ・スサンハルモニは証言集会でスタンディングオベーションを受けたそうです。日本女性の参加者は、泣きながら謝罪しない日本政府を糾弾し、感動もしたそうです。ケルンで日本軍「慰安婦」の証言会を後援してくれる団体はカリラという方が率いる団体で、第二次大戦の際ドイツが第3世界に対して犯した過ちへ真相究明を目的とする団体だそうです。ドイツがユダヤ人に対して犯した虐殺だけでなく、賠償はおろか議論にさえなっていないジプシーをはじめとするアジア、アフリカの人々に対する蛮行を究明しています。その為、日本軍「慰安婦」問題にも関心があるようです。

3. 全北（チョンブク）に住むファン・ウンブン先生が後援金を送ってくださいました。嬉しい電話が事務所に掛かってきました。ホームページを通して活動の様子は見ていましたと、博物館建設の為の1万人建設委員に参与してくださり、後援の夕べの為にも10万ウォンを、海外在住の生存者を後援する為に500万ウォンも後援してくださいました。1月初めにタイを訪問し、ノ・スボクハルモニに会う予定だと伝えると、是非よろしくお伝えくださいと切なるお心を示してくださいました。

4. プレスリリース《挺対協創立20周年後援の夕べ『ともに歩んだ20年、ともに切り開く明日』開催―キム・ハクスン/カン・ドッキョン賞 授賞式、キル・ウォノクハルモニの作品オークションなど、後援者と分かち合いの場》を配信しました。

12月11日(土)

1. 故イ・ヤングンハルモニのお葬式へ参列、弔問してきました。:スタッフが皆、後援の夕べイベントの準備や新聞製作などで大変だろうとユン・ミヒャン代表とキム・ドンヒ局長だけが行こうとしましたが、ヤン・ノジャ幹事とアン・ソンミチーム長も一緒に行くと言い、4人一緒にユン・ミヒャン代表が運転する車に乗って益山(イクサン)へ行ってきました。しかし、心は穏やかではありません。ハルモニの遺影の前で私たちは一緒に礼をして最後の挨拶をし、遺族の方々と挨拶を交わしましたが、雰囲気は冷ややかでした。そして、遺族の方々がぶしつけに挺対協とは何をしている団体かと聞いてきます。雰囲気を顧みずそのまま挺対協の説明をすると、ハルモニの若い甥(弟の息子)が「「慰安婦」被害者たちが死ぬと政府が何かしてくれるのか？」と聞いてきます。「家族がいなければハルモニたちの葬式費用は誰が出すのか？」と詰問してきます。挺対協が喪主を務め、ハルモニたちが逝く道が淋しくないよう送り出していると伝えると「それなら、私たちも今ここから全員出て行ってしまえば挺対協が葬式代も出してくれるのか？」と言い、隣にいた姪まで肩入れして威嚇します。ハルモニの遺影の前でまだハルモニの魂がこの世に留まっているだろうに、血の一滴も分かち合わない私たちですらこうしてやって駆けつけたのに…。一緒に住んでいた伯母が亡くなったのに、どうしてこうなのかと叫びたかったです。しかし、怖くて…、何も恐れず躊躇せずに声を荒げる遺族だというこの若い男女が恐ろしかったです。その横でハルモニの弟は息子たちのこのような行動に力無く座っているだけでした。ああ…ハルモニのご遺体の前で私たちを借金取りのように扱うこの人々の目つき…このような現実がこの上なく嫌で怖かったです。脳裏に焼き付いてしばらくは消えないでしょう。一番若いスタッフは、あまりにも理不尽で涙が出たと言います。ソウルに戻る道すがら、この世を去られたイ・ヤングンハルモニにとても申し訳なくて胸が痛くなり泣きました。どうか安らかにお眠りくださるよう、故人の冥福を祈ります。

2. 挺対協20周年記念特集新聞が本日発行されました。水原市民新聞で徹夜して編集した末、印刷所で今日、新聞が無事に完成しました。3000部を発行しました。後援広告とスタッフの記事の原稿編集が昨日の午後までずっと続き、新聞がちゃんと出来上がるか心配でしたが、良かったです。

3. ドイツキャンペーン：午前にケルンからベルリンへ到着しました。

12月12日(月)

1. ドイツキャンペーン：イ・スサンハルモニがインタヴュー中に話した夫のお話。ハルモニは解放後、韓国に戻れずに中国に残り、そこで夫となる人に出会います。その夫がなぜ中国に来ることになったのかと尋ねるので過去を告白すると、それが何の傷になるものか、日本が犯した南京大虐殺、桃山虐殺など、大虐殺について話し、「生きているのだからそれでいい」「私が一生愛するから死ぬなんて考えるな」と言ってくれたそうです。その夫は日帝に対抗すると言って山林で地下運動を行い、解放前に赤軍に入って闘争した人物だそうです。運動をしていた方ということで女性の性に対する考えも理解があったようです。

2. 挺対協2010年会員の日及び後援の夕べを鐘路オクトバーフェストで行いました。とても寒い日曜日、午前12時から夜11時まで2010年の1年を決算し、2011年という新年を準備するために会員の日及び後援の夕べが盛大に行われました。昨年より人数は少なかったものの、それでも空席が無いくらい沢山の方々と一緒に笑い・歌い、挺対協の意味を共有することができました。

午後5時～7時はチェ・リ・ミヨンさんの司会で記念行事を行い、2010年の活動報告と賞の授賞式を行い、イ・ヨンスン民主労働党最高委員とナム・ユン・インスン韓国女性団体連合常任代表の祝辞、モングスティックの公演、ビンゴゲーム、ハルモニの作品オークションなどの順に会は進んでいきました。特別に後援の夕べにキル・ウォノクハルモニとキム・ボクトンハルモニ、イ・スンドクハルモニがお疲れの夜の時間にも拘らず会に参加され花を添えてくださいました。キル・ウォノクハルモニはお祝いの歌、キム・ボクトンハルモニはお祝いの言葉をくださいました。

挺対協は2007年から後援の夕べを通して日本軍「慰安婦」問題解決運動を共にし、挺対協の強力な支援者となってくれる方々や団体に感謝の意を込めた記念品を授与してきました。この記念品はキム・ハクスン賞、カン・ドッキョン賞、蝶々の夢賞と3つの分野に分かれていますが、キム・ハクスン賞は日本軍「慰安婦」被害者であることを最初に明らかにした勇気ある証言をされたキム・ハクスンハルモニの意を受け継いで情熱的な運動を繰り広げる日本軍「慰安婦」問題の広報者として共に頑張ってくれる方、または団体に贈る賞です。カン・ドッキョン賞は死を目前に控えた病床でさえ、犯罪認定と法的責任を回避したまま慰労金で済まそうとした日本の「アジア国民基金」を拒絶し、最後の一人になっても闘うと固い意志を明かしたカン・ドッキョンハルモニのように、慰安婦問題解決のための強固な礎となってくださる方や団体へ贈る賞です。そしてハルモニたちの名誉と人権、彼女たちの高貴さを意味する紫と、暖かな連帯の意味を持つ黄色の蝶々が挺対協キャンペーンのたびに見受けられると思いますが、その蝶々は何よりもハルモニたちが真に解放され羽ばたく瞬間を願い、暴力と差別に苦しむすべての女性と弱者の解放を夢見る力強い象徴なのです。挺対協運動が蝶々の力強い羽ばたきのように羽ばたけるよう、共にしてくれるボランティア、影の立役者、強力な後援者に贈る賞がまさに蝶々の夢賞です。

今年にこのような貴重な活動をしてくれた方に感謝の気持ちをいっぱいに込めて、キム・ハクスン賞は国際アムネスティーに、カン・ドッキョン賞は韓国キリスト教長道会女信徒会全国連合会へ、蝶々の夢賞はキム・パンスさんと延世大学医療院労働組合、オ・ウギョンさんに授与されました。

特集新聞に後援広告をしてくださった皆様、後援の夕べを通して挺対協を後援してくださった皆様に感謝致します。