挺対協週刊ニュースレター第224号

11月15日(月)～11月21日(日)

作成・報告：ユン・ミヒャン常任代表

翻訳：米川智恵子、イ・ソネン

挺対協の20周年行事にお忙しい中でも参加してサポートしていただいた各団体長の皆様、先生方々に心から御礼申し上げます。直接の参加は難しくてもお花や連帯のメッセージでお祝いと激励の気持ちを伝えてくださった皆さんにも感謝申し上げます。私たちはこれまでのように、活動を始めたころの初心と同じく新たな20年を迎える今でも変わらない気持ちで、いや、むしろもっと熱くて強い志を持って活動していくことを約束いたします。皆様にもこれまでと同じく私たちの活動に心と体でご参加いただくことをお願い申し上げながら、この一週間に行った活動を第224号週刊ニュースレターにてお送りします。

11月15日(月曜日)

1．SBS放送の番組「ニュース展望台」とのインタビューで1日をスタートしました。：朝6時40分、挺対協20周年を迎えて日本軍元「慰安婦」問題解決運動の現在を考える趣旨のインタビューをし、約15分間生放送されました。

2．20周年記念水曜デモ及び国際シンポジウム、文化イベントへのご参加とご関心を求める広報活動メールや電話で行いました。

3．北朝鮮側の「民族和解協議会」、「6・15共同宣言実践」の女性分科委員会から、ファックスで「韓国挺身隊問題対策協議会」（以下「挺対協」、常任代表ユン・ミヒャン）の創立20周年に向けて祝電が送られてきました。：

女性分科委員会からは、「挺対協の活動は国内外の同胞や国際社会から大きな支持を得、称えられており、民族の自主権の守護と日本の訓告主義の復活策動に反対する闘いへわが民族を力強く促している」とし、「これまでの通り、今後も日本軍「慰安婦」問題を初め日本の過去の罪を必ず清算し、民族の自主的尊厳と利益を守って歴史的な南北共同宣言を固守・履行していくために積極的に努力するであろうと期待を表明する」というメッセージをいただきました。

11月16日(火曜日)

1．ラジオの基督教放送（CBS）と電話インタビューを通じて20周年の行事をお知らせしました。：午前8時45分頃、CBSラジオの生放送ニュースでイ・ヨンスハルモニとユン・ミヒャン代表が一緒に電話を通じてインタビューを行いました。20周年の感懐と難しかったこと、今後の課題などについてお話しました。

2．日本の女性・市民団体から挺対協20周年の祝賀メッセージをいただきました。：

「ひるまず、あきらめずたたかいぬく挺対協の２０年に敬意と感謝を送ります」－3月行動を呼びかける女たち

「挺対協はハルモニの誇りであり、人類の誇りです」－劇団水曜日

「挺対協の20年の足跡に尊敬の拍手を送ります」－日本軍「慰安婦」被害女性と共に歩む大阪・神戸・阪神連絡会

「心から敬意を表します。連帯の力を込めて」－神戸女学院大学・石川康宏研究室

「ハルモニたちと共に戦った歴史を讃え、連帯！」－フィリピン人元「従軍慰安婦」を支援する会

「結成20周年を心からお祝いし、これからも共に闘うことを表明します」－憲法9条－世界へ未来へ連絡会（9条連）

「貴会の活動に心からの敬意と連帯を込めて」－21世紀の平和と人権を考える市民のつどい

「挺対協なくして『今』はない！解決まで共に！」－「慰安婦」問題解決オール連帯ネットワーク

「 過去・現在・未来へ協心戮力で連帯の運動を！」－「慰安婦」問題の解決に向けた意見書採択をすすめる会」

「日本軍「慰安婦」問題解決は平和な未来への第一歩」－早よつくろう！「慰安婦」問題解決法・ネットふくおか

「被害者と共にした20年。その献身と勇気に感謝！」－戦後責任を問う・関釜裁判を支援する会

「歴史を拓いたハルモニ、共に闘う挺対協に感謝！」－日本軍「慰安婦」問題解決のために行動する会・北九州

「戦時性暴力根絶のために闘い続ける姉妹に連帯！」－ アクティブミュージアム「女たちの戦争と平和資料館」(WAM)

「勇気と希望をもって共に頑張りましょう」－戦争を許さない女性たちのJR連絡会

「一日も早い解決のために闘いましょう！」－アジア子どもプロジェクト

「博物館建設のために共にに頑張りましょう」－JR東労組

「 篤くて温かい２０年間の活動に感謝と連帯を！」－「慰安婦」問題解決を求める北摂ネットワーク

「女性の人権確立のために闘った20年に、栄光あれ！」－戦時性暴力問題連絡協議会

「日本軍『慰安婦』問題解決・被害者の尊厳の回復のための、20年間のたゆまぬ努力に敬意を表します。共に解決を勝ち取りましょう」－VAWW-NET Japan

3．韓国の市民団体及び海外団体から挺対協20周年にお祝いのメッセージをいただきました。：

「女性人権運動のモデル、挺対協の20周年をおめでとうございます。」－釜山市民連合女性会

「新しい世界に向けた希望に力を添えます」－新しい世界を開くカトリック女性共同体

「20年以上苦労されてきた（ハルモニや活動家、そして連帯している）全ての方々に感謝と激励を送ります。」－韓国女子修道女会長上連合会

「20年間流した涙、分け合った喜び、手に取った実り…おめでとうございます。愛しています。」－韓国女性団体連合

「正義を実現するための過去20年間の闘い！大きな歩幅で一緒に歩きましょう！」－全国女性連帯

「『慰安婦』問題の解決に向けて歩き出した一歩がいつのまにか20年という心痛む歴史の足跡を残しました。そのつらかった逆境で、一日でも早く『慰安婦』ハルモニたちの名誉と人権回復を勝ち取るためにもう一度力強く歩き出しましょう。その道に韓国労総は常に共にいます」－韓国労総

「ハルモニたちの涙を拭いて築いてきた正義・平和・女性の人権の20年！本当におめでとうございます」－韓国教会女性連合会

「ハルモニたちの真実が世界を動かしました。何卒お元気でいてください。私たちもいつも一緒にいます」－「タシハムケ（もう一度一緒に）」センター

「20才になった挺対協！よちよち歩きからやっと20才。成年、おめでとうございます…ハルモニたちへの真の謝罪を願い、これまでの努力が実を結ぶ挺対協の新たな20代の日々が広がることを期待します。挺対協、ファイト！」－平和をつくる女性会

「ハルモニたちの長年の涙が消え、娘たちの苦しみが二度と生まれない世界のために、挺対協、ファイト！」－女性神学者協議会

「ハルモニと共にあるいた20年！長い間お疲れ様でした。おめでとうございます」－ハンソリ会

「初めの一歩が20歩、数千歩になって、必ず勝ちましょう！」－蔚山女性会

「ハルモニたちの勇気ある20年の闘い。正義を取り戻すその日まで、アムネスティーインターナショナルもお供します」－アムネスティー韓国支部

「女性人権蹂躙の極みである日本軍『慰安婦』問題の速やかな解決を祈り、過去20年間の韓国挺対協の苦労に感謝いたします！」－ワシントン挺身隊対策委員会

「一緒に歩いてきた挺対協の20年、心からおめでとうございます。幸せを祈ります」－韓国挺身隊研究所

「日本政府の謝罪と賠償のために、挺対協20周年を迎えてより力強く連帯するようにします。」－韓国女性民友会

「Das unbeschreibliche Leid endet eher durch den Aufschrei als durch das Schweigen. 声にできない苦しみは、沈黙でなく叫びで終わる。」ドイツ、勇気！金学順－アジア・太平洋地域の和解に向けた行動連盟

「苦しみの歴史を乗り越え、人類平和の歴史へ書き直すために一所懸命走ってきた挺対協の20年に心から敬意を表します」－iCOOP生協

「歴史を築いている挺対協の努力があるからこそ世界は変わることでしょう」－ニューヨーク韓人有権者センターキム・ドンチャン所長

「帝国主義、戦争、人種差別、暴力によって肉体と魂を蹂躙される女性や社会的弱者がいない世の中を願う。」－人が住む世界・ワシントン

「人権回復の問題解決を超え、解放平等の世界を想像しよう！」－全国公務員労働組合女性委員会

「ハルモニたちの人権の名誉の回復のために走ってきた20年。心からおめでとうございます」－韓国基督教長老会女信徒会・全国連合会

「女性を国家権力や戦争の道具にするわけにはいきません。挺対協が地球の果てまでかけつけてお相手しますからね！」-韓国基督教長老会・女教役者協議会

「今回の挺対協20周年行事のタイトルは<ありがとう、一緒に、ひとつに>でした。民主労総・女性委員会も挺対協の皆様に伝えたい言葉があります。<ありがとうございます。そしていつまでも共に行きます>。20周年をお祝いするとともに、女性として自身の権利のために堂々と声を上げるハルモニ。常に闘いましょう」-民主労総

「20年変わらずハルモニのために努めてきた挺対協の尽力には、自ずと頭が下がる思いです。遠くカナダからも、皆様の努力と苦労が無駄にならないようにいつも一緒に行動します。Your perseverance to bringing justice for Grandmas is of great inspiration to us all. We are all supremely grateful for your efforts and we will be with you always!」 - Toronto ALPHA.

4．明日、「日本の朝鮮高校の無償化の即刻適用を求める女性団体」の記者会見を行うことにし、マスコミ各社にプレスリリースを流しました。

5．午後6時40分にKBSラジオ、午後7時30分にはMBCラジオの番組「キム・ミファの『世界は、そして今の私たちは』」とユン・ミヒャン代表が電話でインタビューをし、挺対協20周年の意味と課題を考える時間を持ちました。

11月17日（水）

1．朝鮮高校の無償化の即刻適用を求める女性団体の記者会見を行いました。：午前11時、ソウルの日本大使館前で挺対協は全国女性連帯、韓国女性団体連合と共同で「日本の朝鮮高校の無償化の即刻適用を求める」記者会見を開き、「無条件に朝鮮高校への無償化教育を実施すること」を求めました。

記者会見で全国女性連帯を代表して発言したソン・ミヒ自主統一委員長は、「これまで国内マスコミを初め、市民は日本政府が高校無償化の適用に向けた審査基準を確定したことに歓迎の意を表したが、その裏の問題点は見通せなかった」とし、「日本政府が日本の教科書使用などを条件として出しているが、これは朝鮮学校で「独島（竹島）は日本の領土」と書いている日本の教科書で教えなければならないのと同じである」と、無条件の適用を求めました。

パク・ヨンミ韓国女性団体連合共同代表も発言の中で「日本の民主党政府が朝鮮高等学校の無償化に条件を出すのをみて日本の性質が変わっていないことを感じた」とし、教育における差別を直ちに止めることを求めました。

日本軍「慰安婦」被害者であるキル・ウォノク ハルモニは、「朝鮮学校の生徒たちは日本に居たくているわけではない。日本が朝鮮に対し不法的に植民地化し、侵略戦争のせいで日本に連れて行かれた朝鮮人1世の歴史のがあるためにそこに住んでいるのだから、日本が反省し、賠償し、朝鮮学校の生徒を待遇しなければならないにも関わらず、むしろ差別している。直ちに朝鮮学校への差別を取りやめること」を求めました。

参加団体は声明書発表を通じて「過去の歴史を蔑ろにされたまま日本社会で差別を受けてきた朝鮮学校は、またしも高校の授業料無償化制度から疎外されている」とし、「朝鮮学校の学生は拉致問題をめぐって正当でない偏見と差別を受けているが、日本政府が特定国家との関係だけを理由に排除するのは平等の権利を剥奪することであり、人種差別に該当する」と無条件の教育無償化の実施を求めました。最後に声明書を日本大使館の政務参事官、三等書記官の方に面談の場で渡しました。

2．挺対協20周年記念特別集会と第944回水曜デモ：

挺対協20周年記念事業の最初のイベントが始まりました。今日まで挺対協が活動しているという事自体があまり希望的な状況ではないという事もあり、単純にこれまでの過程を記念して祝うのではなく、最初の行動をデモで始めることにしました。この日の水曜デモは久しぶりに参加されたイ・ヨンスハルモニをはじめ、キル・ウォノク、キム・ボクトン、イ・スンドク、カン・イルチュル、イ・オクソン、キム・スノクハルモニが参加され、挺対協の会員団体、長上連合会のシスターたち、大学生など150名が集まりましました。

挺対協発足当時、韓国教会女性連合会の総務であったユン・ヨンエさんが司会を務め、韓神大学マイムペが「しかめっ面はやめて」という歌を振り付けつきで披露してくれました。開会の挨拶は挺対協胎動期に重要な役割を果たされ、戦争と女性の人権博物館建設委員長を務めるキム・ヘウォン先生が、「最初は37個の団体から始まったのですが、劣悪な状況の中、事務所も無くきちんとした組織も作ることができない状態で始まりました。しかし20年という月日を持ちこたえる事ができたのは、ハルモニたちがこの場を守ってくださったからこそです」と挺対協20年の運動の経験と感想を述べました。今日の経過報告は特別に挺対協20周年の運動と歴史を、写真を使って参加者に伝えました。

米国ワシントンの挺身隊対策委員会のキム・グァンジャ会長とイ・ドンウ理事長も連帯の挨拶をされ、ドイツから来たキム・ジニャン、ハン・ジョンノ先生も連帯発言でドイツからの支持と連帯を伝えてくれました。中国から今回初めて挺対協と連帯する事となった中国華北性社会科学院歴史研究所の研究員である田蘇蘇さんは、デモの雰囲気に勇気づけられたのか興奮し感動した声で、これまでこれほど長い間水曜デモを続けてきた事に感動し、今後中国でも共に連帯していくと発言されました。日本から参加したキム・プジャさんもすでにハングルで発言文を用意してくださっていて、挺対協20周年を祝い、今後日本でも2000年女性国際法廷10周年行事など日本軍「慰安婦」問題解決の為に努力していくと決意を述べてくれました。

92年から挺対協の活動に参加してきたキム・ボクトンハルモニも発言し、「20年前には今代表を勤めているユン代表も元気な若いお嬢さんで自分も60代の若いおばさんだったけど、今やユン代表もおばさんに近いし、自分も80代半ばのババアになってしまった」とコメントしました。これまで共に活動してくださった女性たちや海外からのお客さんにお礼をし、日本大使館に向けては「日本大使は聞きなさい！」と、一日でも早く被害者に謝罪と賠償をすることを求めました。イ・ヨンスハルモニも手を挙げて「私も一言言わせてもらう」と、日本政府へ謝罪と法的な責任を求めました。

20周年の祝賀舞台では、挺対協の事務所でボランティアとして活動している功能さんがいるチーム「モングスティック」が前に出て生演奏でお誕生日の歌を歌い、私たちも誕生日ケーキ代わりのお餅に大きなキャンドル二つの火を灯し、20周年を祝いました。

最後にユン代表から20周年記念水曜デモの声明を発表しました。「20年という歴史に至るまで、私たちの一途な叫びと正当な要求の前に日本政府は常に否認と回避の姿勢を貫き弥縫策で重大な犯罪をごまかしてきた。しかし日本軍『慰安婦』問題の解決に向けた国内外の熱い連帯は被害者たちが『恥ずかしいのは自分ではなくて日本政府であり韓国政府』だと声を上げることを可能にし、ハルモニのそうした堂々とした姿は今日世界各地に響く平和のメッセージになり、数えきれない女性に対する暴力の被害者へ希望という名で近づいている。今すぐ日本政府は被害者が納得できる形で、間違いに対して徹底的な責任を認める姿勢を基に法律をつくり、公式な謝罪と法的賠償を実施すべきである」と求めました。また韓国政府にも、「弱者を排除した戦時の行政や経済発展等ではなく、人権を優先する平和的・友好的な政府」を要求し、「韓国政府が前面に立ってちゃんと役割を果たし、平等で平和な社会を築いていくこと」を促しました。