2010年の振り込め詐欺認知件数、前年比9.6%減 警察官などになりすます手口が激増
2010年1年間の振り込め詐欺の認知件数が発表され、全体の数は2009年に比べて9.6%減り、6,637件だった。しかしこのうち、警察官や銀行協会の職員などになりすます手口の詐欺の被害は、激増していることがわかった。
「捜査2課のクロサキと申します。通帳2冊とキャッシュカードがですね、見つかったんですよ」
これは、警察官になりすました詐欺犯からの電話。
警察庁のまとめによると、2010年1年間の振り込め詐欺の認知件数は6,637件と、2009年に比べ減少したが、このうち、警察官などになりすます詐欺の被害は、全体の3分の2の4,418件を占め、5割近くも増えたことがわかった。
「なりすまし詐欺」の被害に遭った女性(87)は「もう悔しいなと思って。自分では、だまされるはずないって、自信を持っていたのに...」と話した。
都内に1人で住む87歳の女性のもとにかかってきた「なりすまし詐欺」の手口。
被害に遭った女性は「『金融庁のニシジマと申します。実はね、あなたの通帳とカードが、個人情報の漏れで、大変なあれになっていますから、使えませんから』と...」と話した。
次にかかってきた電話の相手は、警察官になりすまし、通帳とカードを渡すよう何度も要求した。
被害に遭った女性は「『カードと通帳をいただきに来ました』と。おかしいなと思っていたんですけどね。はいどうぞ、持って行っていいですよと。夜、布団に入って考えてみたら、何てばかばかしい話だろうと思って、自分でね」と話した。
口座のお金は、1円残らず引き出されていた。
被害に遭った女性は「(でも)渡さなければ、(ナイフで)ブスッとやられたら1人だから困るしね、それが一番怖かったんですよ、(お金を)持っていかれるよりも」と話した。
こうした警察官になりすます手口のほとんどは、中国から電話をかけているとみられ、2010年1年間のなりすまし詐欺の実質的な被害総額は、79億2,000万円にものぼっている。
(01/20 12:41)