2010年に全国の警察が確認した「振り込め詐欺」の実質的な被害総額は100億8805万円にのぼることが20日、警察庁のまとめで分かった。類型別では高齢者を狙う「オレオレ詐欺」被害が前年比16.2%増の約60億4千万円。警察官などを装ってキャッシュカードを詐取し、ATMで現金を引き出す手口も横行した。同庁はオレオレ詐欺に重点を置いた対策を進める方針だ。
振り込め詐欺被害は統計を始めた04年から08年まで250億~280億円台で推移し、09年は約95億円。警察庁が確認した被害額は10年までに累計1500億円を超えた。
10年は振り込め詐欺被害が前年比14.3%減の82億1361万円(被害届のあった件数は9.6%減の6637件)。このほかに、警察官や銀行協会職員を装うオレオレ詐欺で「口座が不正使用されたので凍結する」などと持ちかけてだまし取ったカードを使い、現金を引き出す窃盗被害が統計外で18億7444万円あった。
こうした手口の窃盗被害は09年3月から確認され、警察庁は10年分から集計を開始。摘発実績などから大部分は中国を拠点とした複数のグループによる犯行とみている。
類型別では、10年はオレオレ詐欺が発生件数でも44.5%増の4418件と大幅に増えた。「架空請求詐欺」は28.8%減の1774件で、被害額も44.9%減の約17億5千万円に。「融資保証金詐欺」(被害額約3億4千万円)と「還付金詐欺」(同約7千万円)の被害額は63~69%の大幅減で、それぞれピーク時の5.2%、1.6%程度となった。
被害者を年代・性別でみると、60代以上の女性が6割強を占め、同男性が1割強。オレオレ詐欺に限ると60代以上の女性が8割近く、同男性が1割強で、地域別では東京と埼玉、千葉、神奈川、愛知の1都4県で80.2%にのぼった。
一方で、10年の振り込め詐欺本犯の摘発は前年比8.5%減の5189件で、同269人減の686人。口座や携帯電話の詐取など助長犯の摘発は36.4%減の3674件、28.6%減の1825人にとどまった。
警察庁幹部は「融資保証金詐欺と還付金詐欺は撲滅に近い状況となった。オレオレ詐欺が大きな課題であり、突き上げ捜査による主犯格の摘発や高齢者への被害防止対策などを進めたい」としている。
オレオレ詐欺、振り込め詐欺、融資保証金詐欺、還付金詐欺、キャッシュカード
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