去年1年間の振り込め詐欺の被害は、従来の手口が減る一方で「あなたの口座が犯罪に使われている」と、警察官などを名乗って電話をかけてキャッシュカードを持ち去り、現金を引き出す新たな手口がおよそ19億円に上ることが分かりました。被害総額は100億円を超え、依然として深刻な状態が続いています。
新たに目立っている手口は「あなたの口座が犯罪に使われているので調べさせてほしい」などと警察官や銀行協会の職員を名乗って電話をかけたうえで被害者の自宅を訪れ、暗証番号を聞き出してキャッシュカードを持ち去り、口座から現金を引き出すものです。キャッシュカードで現金を引き出す手口は盗みに当たるため、警察庁は詐欺としては計上していませんが、去年から特に目立ち始めたため、初めて被害額を集計したところ、およそ19億円に上ることが分かりました。口座を指定して現金を振り込ませるなどの従来からの手口の被害はおよそ82億円と、前の年より14%減ったものの、キャッシュカードを持ち去る手口を含めると被害総額は100億円を超えています。警察庁は、依然として深刻な状態が続いているとして、全国の警察に取締りを一層強化するよう指示するとともに、新しい手口への警戒を呼びかけています。