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[科学]ニュース
【Web】書籍電子化 自炊代行業者にNO! 著作権侵害? 出版社が対抗策
自ら書籍を電子化する「自炊」を代行する業者が増えるなか、店舗内にある裁断済みのコミックとスキャナーを有料で使えるサービスが昨年末に登場し、著作権をめぐる議論が改めて巻き起こった。インターネット上で批判が集中したことから業者は一時的にサービスを休止したが、21日から「業務を変更して」再開する予定。自炊業者の興隆に対し、一部の大手出版社は、「購入者以外の電子化は認められていない」と書籍の奥付に明記する対抗策を打ち出し始めている。(猪谷千香)
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業務変更で再開へ
ネットで“炎上”した自炊業者は、昨年12月27日に東京・秋葉原で“試験オープン”した「自炊の森」。利用者は店舗内に配置された裁断済みのコミックをスキャナーで電子化し、データを自宅へ持ち帰ることができた。
書籍の利用から電子化までがセットとなり、1冊当たりの料金が設定されていたことから、「(著作権法で許された)私的複製の範囲を超える」「著作権者に対する利益還元がない」などと指摘された。
著作権法では、個人が個人的な目的で自ら著作物を複製することや、施設内で書籍を使わせることを認めており、「自炊の森」は一見、同法をクリアしているようにもみえる。
しかし、著作権法に詳しい福井健策弁護士は、「自らの管理下で著作物を利用させ、利得を取得している場合には、自らが利用の主体になるという最高裁の判断がある。本も機材も店の管理下にある『自炊の森』はこれに近く、違法の可能性が強い」とみる。
指摘を受けた「自炊の森」は同月31日にサービス休止としていたが、「店内の書籍利用に関して課金は行わない」形で今月21日から正式オープンする予定。「『店内の書籍は自由に利用していただいて構わない』というスタンス」と説明する。
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