サムスン電子、オランダの研究開発企業を買収

 サムスン電子は20日、オランダのディスプレー研究開発企業、ラクアビスタ(本社アイントホーフェン)を買収したと発表した。

 サムスン電子は今回の買収を通じ、次世代ディスプレーの重要技術として注目される「エレクトロ・ウェッティング(電気湿潤)方式ディスプレー」に関する技術を獲得した。同方式のディスプレーは、疎水性の樹脂層の間に染色した油と水を封入し、電圧によって油が移動することで、光を遮断、透過、反射させる仕組みで、電子ペーパーや透明ディスプレーなどに応用できる。

 サムスン電子はこれまで、系列企業に対する大規模な資本注入で短期間での技術逆転を図る成長戦略を取る一方、企業の合併・買収(M&A)には消極的だった。しかし、さまざまな分野の技術変化についていくのは容易ではなく、新事業推進の基礎となる技術を確保する必要が生じ、M&Aに積極的な姿勢へと転じた。

 崔志成(チェ・ジソン)副会長は最近、記者団に対し「基礎となる技術を持つ海外企業を中心として、M&Aを継続的に進めたい」と述べていた。

 サムスン電子はこれに先立ち、イスラエルの非メモリー半導体研究企業、トランスチップを2007年に買収。昨年には歯科用X線設備メーカーのレイ、半導体設備改造関連企業のGES、超音波医療機器メーカーのメディソンをそれぞれ買収した。

 3000億ウォン(約220億円)以上の資金を投じたメディソン以外は、大半が1000億ウォン(約74億円)未満の小規模なM&Aだった。特に、超音波診断器などで1000件余りの特許を出願したメディソンは、サムスン電子が医療機器市場でゼネラル・エレクトリック(GE)、フィリップスなど先行企業と競争する上で必要だったとみられる。

 サムスン電子のM&Aチームは、それ以外にも国内外で10社余りの買収を検討しているとされる。

 同社は今月初めに発表した今年の投資計画で、M&Aなど資本投資に1兆1000億ウォン(約810億円)を計上していた。

扈景業(ホ・ギョンオプ)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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