- [PR]
[国際]ニュース トピック:朝鮮半島ウオッチ
【朝鮮半島ウオッチ】微笑する北朝鮮、韓国を揺さぶり、日本に触手?狙いは米中首脳会談
米国は6カ国協議再開について「まずは南北関係改善」(ボズワース米北朝鮮政策特別代表)との立場で、北の対話攻勢はまるで米国の要請に応えているかのようだ。
核問題で北朝鮮側の非核化への行動を求める米国が6カ国協議の再開なしに北朝鮮との直接対話に応じる可能性はゼロに等しい。すでに2度の核実験を行いウラン濃縮も公言した北朝鮮は、核保有国としての米朝交渉を望んでおり、両者の溝は深く、中国の役割はさらに高まっている。このタイミングでの対話攻勢は米朝の仲介者、中国の立場を強くする。
微笑外交は韓国の国論分裂の狙いもありそうだ。韓国の保守勢力は強硬路線を、進歩勢力は対話を要求するだろう。韓国内が分裂すれば、日米韓連携のうち李明博政権の韓国の足下がグラつくことになる。
そんな折も折、日本の前原誠司外相が日朝交渉に前向き姿勢を表明した。
4日の年頭会見で直接対話に意欲をみせた前原氏に北朝鮮は「時代的趨勢(すうせい)と国家関係の発展に符号する肯定的な動き」(8日付、朝鮮中央通信ウェブサイト)と評価。これに意を強くしたのか、前原氏は11日「6カ国協議の開催の是非にとらわれず、日朝の話し合いというものは行われるべきだ」と述べた。
核開発を右手、ミサイル発射を左手、微笑を浮かべて日米韓の離反を狙う北朝鮮外交は今に始まった戦術ではないが、核開発がさらに深刻となり金正恩氏の登場で北朝鮮内政が不確実となった現状で、これまでになく日米韓の戦略外交が求められている。前原外交が菅政権の点数稼ぎで日朝に活路を求めたとしたら、北朝鮮の思うツボなのだ。
日朝協議の対話カードも南北関係と同様に北朝鮮に握られてきた。日本の政治家はこの対話カードに何度、振り回されてきたことか。日本政府は日朝交渉の轍を肝に銘じていただきたい。
このニュースの写真
関連トピックス
- [PR]
- [PR]