子ども手当の地方負担めぐり自治体から怒りの声相次ぐ さいたま市も財源負担拒否の姿勢
「子ども手当は全額国費でまかなうべき」という、自治体から相次ぐ国への怒りの声は、20日になってさらに拡大している。子ども手当をめぐる地方の乱に、大阪府の橋下知事もエールを送っている。
大阪府の橋下知事は「財源がないなら、これはやめるべきだと思いますよ、それは」と話した。
民主党の目玉政策「子ども手当」にかみついた大阪府の橋下知事。
実は今、2011年度分の子ども手当の財源をめぐり、自治体から「待った」の声が相次いでいる。
神奈川・横浜市の林 文子市長は19日、「全額、国費負担でお願いしたいと。これはもう最後まで、われわれとしては戦います。国に対して、強い抗議の姿勢を示すという意味ではですね、県の考え方とも合致しておりますので、ともかく一緒になって戦おう」と述べた。
横浜市の林市長は19日、国側との徹底抗戦を表明した。
18日、神奈川・川崎市が子ども手当の財源負担を拒否したのに続き、今度は、お隣の横浜市も、財源負担「ノー」を突きつけた。
そもそも子ども手当は、国が全額負担する方針だったが、財源不足を理由に、2010年度に限り、総額2兆2,554億円のうち、およそ2割にあたる4,652億円を地方自治体が負担していた。
ところが国は、2011年度分についても、地方に一部負担の継続を求めてきた。
川崎市の阿部孝夫市長は18日、「地方自治体の意向を無視してね、勝手にどんどんやってしまって、これじゃあとても地域主権にならないですからね。そこが本当に、わたしどもが怒っている根拠なんです」と話した。
「スーパーニュース」の調べによると、神奈川県内の33市町村のうち、横浜市、川崎市と同様に、財源負担拒否を決めた自治体は、平塚市や海老名市など全部で16。
相模原市や鎌倉市など9つの自治体も、財源負担拒否を検討中だという。
さらに20日、神奈川県のみならず、さいたま市も財源負担「ノー」を突きつけた。
さいたま市の清水勇人市長は「全額国庫負担ということで、来年度予算については計上させていただくことにしております。わたしたちの裁量がまったくない中でね、負担をされるものでありますから、基本的には、全額国庫で負担をすべきという考え方のもとに進めさせていただいております」と述べた。
子ども手当をめぐる地方自治体の反発に、大阪府の橋下知事は「政令指定都市が支給拒否ということをやるんであれば、これは政治闘争ですよね。頑張ってもらいたいですね」と述べた。
さらに、橋下知事は「(民主党は)赤字債を乱発して、財源のめどが立っていないのに、政策だけを掲げるっていうのは、これはもう政治じゃないですよ。もうまったく、票を得るためだけの『政治屋』ですよ」と述べた。
国の財政が、すでに破たん状態の中、子ども手当をめぐって、横浜市民からは、「国が決めたことなら、国がもう少し責任を持ってやればいいと思います」、「借金ばかり増えて、市民税が上がって困るので」、「国だけじゃ、やりきれないと思うんで。ある程度、市もやった方が」、「(子ども手当より)もっと違う形で、たくさん施設をつくっていただくとか、そういうことに回していただいた方が...」といった声が聞かれた。
地方自治体による子ども手当の「反乱」は、24日からの通常国会の予算審議にも影響を与えるとみられる。
(01/20 17:30)