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【社会】

始まりは孫氏ツイッター 地下鉄メール、6日で合意

2011年1月21日 朝刊

通信環境整備で合意した猪瀬副知事(左)と孫社長=20日午後、都庁で

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 都営地下鉄で走行中も携帯端末が使用できるよう、年内に環境整備されることが決まったのは、ソフトバンクの孫正義社長が短文投稿サイトのツイッターに提案し、東京都の猪瀬直樹副知事が即応した結果だ。両者の正式な合意までわずか六日間。ツイッターという新たな交流手段が、一気に成果を生んだようだ。 

 孫社長がツイッターに書き込んだのは十五日夜。「地下鉄でもメールなどできるように、携帯のアンテナ工事(工事費当方負担)を許可いただきたくお願いします。都民の皆さんのご意見はいかがですか?」

 投稿は不特定多数に宛てられ、名古屋や大阪、神戸の地下鉄も話題に上るなど、最初から都営地下鉄だけを視野に入れたものでなかった。

 その書き込みに、猪瀬副知事が「お時間ありましたらお会いしたい」とすぐさま対応した。

 日程調整を進めた結果、わずか四時間後には、孫社長が「猪瀬副知事と来週のアポ確定! 行ってきます」と書き込み、二十日の面談を約束している。

 トンネル内の携帯電話アンテナ設置をめぐっては、携帯電話各社でつくる「移動通信基盤整備協会」の働き掛けに対し、地下鉄各社が否定的だったわけでは決してない。例えば、東京メトロは二〇〇六年に同協会から要請を受け、翌〇七年にはトンネル内での電波の飛び方を調べる実証実験を行うなど協力してきた。しかし、地下鉄会社にとって通信環境の整備の優先度は低く、事業は遅々として進まなかった。

 孫社長によると、トンネル内のアンテナ設置には、申請してから鉄道会社が認可するまで通常は三〜四年かかるという。

 地下鉄内でも携帯端末を使いたいとの需要は、スマートフォンなどの普及で急速に高まっている。税金も使わず、利用者サービスにつながる提案がなぜ、ここまで放置されてきたのか。猪瀬副知事は二十日、孫社長と一緒に会見し「乗客の利便性とは何か」と繰り返し問い掛けた。

 

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