歌手の武田鉄矢(61)が32年前から演じてきた坂本金八先生が3月末で定年退職することになった。1979年に第1シリーズが放送されたTBS系「3年B組金八先生」が、3月末のスペシャルドラマで完結する。連ドラ8シリーズ、総集編含めスペシャル版は12回放送。同局ではファイナル版で、約240人の卒業生を可能な限り集合させたい意向で、武田は「台本を読んで泣いています」と万感の思いをぶつける。
金八先生が桜中学を去る。1950年生まれの熱血教師が定年を迎えることになった。3月末、スペシャルドラマ「3年B組金八先生ファイナル(仮題)」として放送されるのが最後となる。長年にわたり、当たり役を演じてきた武田は言う。
「お世話になりました。さみしい等々、気持ちはありますけど、何よりも一つ肩から荷を下ろすという感じであります。リアルを追求してきたドラマでした。だから定年はある。目指していたゴールでもあります。桜中学をやめ、荒川の土手を一人で歩く。そこにたどり着いたというのが正直な気持ちです」
脚本家・小山内美江子さん原作で79年10月にシリーズがスタート。約240人の生徒が巣立った。芸能界に残った生徒、別の道を選んだ生徒。同局では、卒業生をできる限り出演させたい意向で現在、調整中だ。連絡が取れない生徒もおり、番組関係者は「3年B組のOBで、出演したい人はTBSの代表まで電話下さい」と話した。
「金八先生」は社会問題を積極的に取り入れてきた。15歳の妊娠、いじめ、性同一性障害、薬物など。過激さもあって時には批判された。「言葉遣いとか、教育制度を理解していないとかも言われました。悪い評判から耳に入れていました。芸能界は、いい評判のアルコール度が高い。酔っぱらって変なことを起こすんでね」。武田はこのドラマについて「60歳になった(自分の)顔をつくった番組」と胸を張った。
ファイナルは、金八先生が定年を目前にし、体調不良が続く中でも生徒の前では気丈に振る舞う。「金八の最後の授業を見ておかないと損をしますよ。台本を読んで泣いています。けじめです。がんばってやります」。来週にも収録に入る。武田は32年間の思いをぶつけ、金八先生を演じ終える。
[2011/1/21-06:00 スポーツ報知]