神取忍　プロレス・アイドル育成だ！

アイドルの発掘に乗り出すことになった神取忍前参院議員（右）と、元祖アイドルレスラーの井上貴子

　昨夏の選挙で落選した前参院議員の女子プロレスラー神取忍（４６）が、アイドル発掘に乗り出すことを２０日、明らかにした。元祖アイドルレスラー井上貴子（４１）と組み、「プロレスもできる」アイドルユニット育成のため、監修担当として志望者の募集を開始。政界再挑戦のリベンジの気持ちはあるが、まずは“エグゼクティブ・プロデューサー”として、アイドル仕掛け人業に挑戦する。

　２００６年に繰り上げ当選し、４年間、参院議員として活動した神取。昨夏の参院選で落選した後は、自身の団体ＬＬＰＷの社長に復帰し、プロレスにスポット参戦もしてきたが、今度はアイドル育成に乗り出すことを決めた。

　「議員の時にできなかったことを、本格的にやりたいと思ったんだよね」。神取は本気だ。今回のアイドル企画は、同じＬＬＰＷ所属の元祖アイドルレスラー井上貴子の２世を育成するのがコンセプト。「Ｖｏｌｕｍｅ２」というユニット名が決まり志望者の募集も始まった。

　ただ、“貴子２世”といっても純プロレスラーというわけではない。プロデューサー役の貴子は、「歌も踊りもあるし、グラビアをやる子がいてもいい。いろんな可能性を持った子に来てほしい」とアピールする。「特技がプロレス」というアイドルユニットが目標。書類選考、面接では「顔、肉体、容姿も重要」（貴子）と、通常の新人レスラー募集とは違っている。

　神取は今回、監修役の“エグゼクティブ・プロデューサー”として、「環境を整えたり、バックアップしたい」という。さらに、貴子は「神取さんがしごくと逃げちゃう子が出てくるから」と敬遠するが、「様子見て、これじゃダメだと思ったら鍛えに行くよ」と、“ミスター女子プロレス”自ら、鬼教官として指導することも考えている。

　落選後、「リベンジはしたいね」と、政界再挑戦の意思は持ち続けている。だが「せっかくの機会だから、外から政治を見て勉強したい。障害者スポーツ問題や議員時代に取り組んでいたことは、バッジを外しても続けていけるし」と、当面は個人レベルで課題にぶつかっていくつもりだ。「プロレス、スポーツ界も盛り上げたい」。今回のアイドル育成の根底にも、そんな思いがある。

　とはいえ、「議員の時は政務に集中していたけど、今はお金を稼ぐことも考えないといけないからね～」とも、しみじみと漏らした神取。ＡＫＢ４８の秋元康氏のように、アイドル仕掛け人として、大成功することができるか―。

　◆応募資格　アイドルユニット「Ｖｏｌｕｍｅ２」のオーディションの応募資格は、１５～２５歳の女性。１次審査は書類選考、２次が面接。志望者はプロフィルと写真２点（バストアップ、全身）を、東京都豊島区東池袋２の６３の１の５０６　（株）ＬＬＰＷ　に郵送。同社の公式ホームページに、応募フォームを掲載。「ユニットは８人程度の構成で、９月頃デビューの予定。国籍も問いません」（井上貴子）。合格者は歌、ダンス、プロレス技などの特訓を行う。

　◆谷議員にエール　神取は選挙前、同じ柔道出身の谷亮子参院議員との国会での“対戦”を楽しみにしていたが、自身の落選でかなわず。ただ「お互いに人生は戦いだから、またどこかで交わることもあるよ」と、“対戦意欲”は衰えていなかった。議員・神取は自民、谷氏は民主と党は違っていたが、スポーツ省の設立など、目指すところは同じ。「スポーツを理解している議員は本当に少ないから、頑張ってほしいよね」と、エールを送っていた。

（2011年1月21日06時02分スポーツ報知）