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児童福祉施設での虐待、09年度59件 厚労省初集計

2011年1月21日10時0分

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 原則18歳までの子どもが家庭を離れて生活している児童福祉施設などでの虐待が後を絶たない。施設の職員らによる子どもへの虐待が2009年度に全国で59件あり、120人が被害を受けたことが厚生労働省の初めての全国集計でわかった。

 施設内虐待が全国的に知られるようになったのは、福岡市の児童養護施設で職員が子どもをバットで殴ったり、骨折させたりした問題が1995年に発覚したのがきっかけ。その後、各地で事件が相次ぎ、厚労省には毎年十数件が報告されてきた。

 09年の児童福祉法改正で児童福祉施設などでの虐待に通報義務が課せられた。09年度に全国の児童相談所や都道府県への虐待通報は214件あり、調査した198件のうち虐待と確認できたのが59件。虐待かどうか判断がついていないケースも18件ある。

 59件の施設別の内訳は児童養護施設が29件、児童自立支援施設、里親が各9件、知的障害児施設、児童相談所に設けられた一時保護所が各4件、その他4件。虐待の種類は身体的虐待が約7割、心理的虐待、性的虐待が各1割強を占める。加害職員の半数以上は実務経験が5年未満と浅かった。

 子どもの問題をめぐってさまざまな取り組みを続けているNPO法人「こどもサポートネットあいち」(名古屋市)は昨年、子どもが安心できる生活づくりを模索するため、全国約570の児童養護施設で暮らす高校生を対象に大規模なアンケートを実施した。440人が回答し、4人に1人が「職員からとても嫌な思いをさせられたことがある」と答えた。内訳は「ひどいことを言われた」(30%)、「たたかれた」(11%)、「なぐられた」(10%)などだった。(編集委員・大久保真紀)

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「いつから、こんな使い方をするようになったのだろう……」。ことばは時代や場所によって変わっていきます。校閲記者が、いろいろなことばを掘り下げていきます。


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