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小林宏 打倒GDへ「死ぬ気で投げる」

 小林宏之とFA交渉をし握手をかわす真弓監督(中央は南球団社長)=大阪府泉佐野市内のホテル(代表撮影)
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 小林宏之とFA交渉をし握手をかわす真弓監督(中央は南球団社長)=大阪府泉佐野市内のホテル(代表撮影)

 ロッテからFA宣言していた小林宏之投手(32)が20日、大阪府内のホテルで阪神と1回目の入団交渉を行い、推定2年総額5億円で大筋合意した。約40分の交渉後に行われた会見で阪神入りを正式表明。虎の弱点を補う待望の新戦力は、ライバルでもある打倒・巨人、中日を目標に掲げ「死ぬ気で投げる」と誓った。

  ◇  ◇

 虎の誠意に応えたかった。年を越しても、変わらなかった思いが、小林宏の心を動かした。長年、あこがれ続けたメジャー。夢と現実の間で迷い、悩み抜いた男の表情はもうスッキリと晴れていた。「タイガースさんにお世話になろうと思います」と語ったその言葉に、迷いはなかった。

 心を整理し、気持ちは早くも打倒・ライバルへ向いている。報道陣に負けたくないチームはと問われ「去年、優勝した中日もそうですし…中日かな」と語ったが、譲れない思いを抱くチームがある。それは子どものころからファンだった巨人。「昔でしょ(笑)。プロに入ってからはそんなこともない」と言いつつも、「相手が強ければやりがいも感じますし」と闘争心を燃やした。

 「いいバッターがそろっている。小笠原?そうですし、ラミレスも慎之助もいますし。強力打線と言うか、すごくいい打線」と宿敵の印象を口にした小林宏。過去には05年の交流戦で、試合開始1時間前に長男・夢行(ゆあん)君が誕生した。睡眠3時間で臨んだマウンドだったが「変な投球はできない」。クールなイメージとは対照的に、鬼の形相で白星をもぎとったこともある。

 石垣島自主トレ中には、丁寧に低めを突くことを対策に掲げていた。「自分のピッチングを貫くだけだと思うので。相手どうこうじゃない」と意気込む姿には、確かな自信と風格を感じさせる。

 約40分間の交渉では真弓監督から“八回の男”に指名された。ただその言葉にあぐらをかくような男ではない。「ポジションを自分の力で奪って、期待されているのは球児の前でしっかり投げること。その役割を果たせるように、頑張っていきたい」と力を込めた。

 この日は契約まで至らなかったが、最大で2年総額5億円(出来高など含む)の条件、背番号を愛着のある41番にするかなど細部の詰めを行ってから正式に入団発表が行われる予定だ。

 交渉後には自主トレ先の石垣島へとんぼ返りした小林宏。実は交渉に臨むスーツを準備していなかったが、虎の熱意に応えるため、昨夜、代理人を通じて急きょ手配してもらった。熱いハートを持つ男が口にした「優勝のために死ぬ気で投げたい」。その言葉に、偽りはない。

(2011年1月20日)

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