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事件・事故

ATS整備の社員 公判で「危険の認識なかった」 

 尼崎JR脱線事故で業務上過失致死傷罪に問われているJR西日本前社長、山崎正夫被告(67)の第4回公判が20日午後も、神戸地裁(岡田信裁判長)で続いた。自動列車停止装置(ATS)の整備に携わったJR西社員が出廷し、カーブへのATS設置について「脱線の危険があるという認識はなかった」と証言した。

 社員は1990年ごろからATSの設計などを担当し、関西線や大阪駅構内などで半径450メートル未満のカーブにATSを設置した。検察側に「脱線防止のためではないか」と問われたが「速度超過の防止のためで、深く考えたことはない」と答えた。

 検察側は「現場カーブにATSを個別に整備することは容易だった」と主張しているが、社員は「(個別に整備することは)ないと思う。路線単位で整備する方が効率的だから」と証言した。

 また午前中、検察側の質問に「脱線するかもしれないと思ったこともある」と証言した社員は、弁護側の質問には「実際に危険は感じなかった」と述べた。

 現場カーブ手前の直線を制限時速120キロで運転するようになったのは「2003年ごろから」とし、山崎被告が責任を問われている1997年当時は「余裕があり、速くても時速90キロしか出さなかった」と述べた。

 さらに弁護側に「供述調書に『脱線の危険があると認識していた』とあるが、そう説明したのか」と聞かれると「言っていない」と否定。調書に署名した理由を「泊まり勤務明けで早く帰りたかった」とした。事故を起こした運転士=当時(23)=を指導した経験もあり、「なんてことをしたのかと思ってきた。本当に申し訳ない」と涙ぐんだ。

 続いて出廷した別の元運転士は「(現場カーブは)要注意箇所の一つだった」と述べたが、危険との認識は否定した。

【特集】尼崎JR脱線事故

(2011/01/21 00:29)

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