バラをあしらったユニホームでプレーする四元奈生美=東京体育館で(由木直子撮影)
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◇卓球全日本選手権第3日
▽第3日▽20日▽東京体育館▽男子シングルス1、2回戦、女子シングルス2〜4回戦ほか
毎年恒例のファッションショーはわずか1試合でお開きとなった。女子シングルス2回戦に登場した派手なウエアでおなじみの四元奈生美=東京アート=は、4着の衣装を用意したものの初戦敗退。“お蔵入り”のまま舞台を去った。
バラをテーマにした衣装でド派手に登場した、卓球界の革命家でありファッションリーダーの四元。だが、その散り方はバラよりもはかなく寂しいものだった。
「だいぶ練習は積んできたが、思うように結果を出せず『あ、終わっちゃった』という感じ。まさか初戦で負けるとは。自分でもびっくり」。高校生の高橋にフルセットの末敗退、わずか1試合で終わった1年に1度の晴れ舞台を力なく振り返った。
コート入りするまで羽織っていたのはピンクのケープ。いざ脱いで披露した“勝負服”は、自らの名を冠してもらったという新種のバラをプリントした白いノースリーブ。さらに「今までにない」と胸を張るプリーツスカートと、派手さは相変わらず。実はこのウエア、「より楽しく、おしゃれにプレーしてほしい。普通のたくさんの人が着られるように」と、一般競技者向けにアレンジして独自ブランド「Final Winner」で4月に市場デビューさせる予定だ。くしくも今大会では伊藤美誠、平野美宇ら小学生が大活躍。「小学生や中学生みんなに着てもらえたら」と独り夢を膨らませている。
卓球界のジャンヌダルクを名乗っていた革命家には、さらに壮大な計画もある。「今度はヨーロッパのリーグに参加したい。去年の夏から思っている」。参加というのは選手としてだけではない。「どこか着てくれるチームがあればうれしい」と、ユニホームのデザイナーも兼ねてファッションの本場に乗り込むつもりだ。4年前、まだ日本では派手な衣装が物議を醸していた時期に国際卓球連盟(ITTF)関係者が絶賛した過去もあるだけに、夢物語ではない。
そのためにも、“本業”の実力をもっと磨かなければならない。「こんな結果でやれるか、不安はある」と本音もポロリ。ファッションショーの続きは、競技の成績次第だ。 (川村庸介)
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