福岡市早良区の投資コンサルタント会社「夢大陸」の多額詐欺事件で、社長の原千春容疑者（５５）が外国債の販売代金などとして全国の４１４人から集めた６７億円のうち、約８億円を私的流用した疑いのあることが捜査関係者への取材で分かった。福岡県警は１６日、原容疑者ら４人を詐欺容疑で福岡地検に送検した。原容疑者が８億円をブランド品やリゾート地購入、旅行代などに充てたとみて流用の実態を追及する。

　捜査関係者によると、６７億円のうち、５４億円を期限が迫った元本償還など投資家への支払いに使っていたことが判明。実際に資金を運用しているように装っていたとみられる。残る１３億円のうち、約８億円を原容疑者が私的に流用していた疑いがあるという。六本木ヒルズ（東京）の高級マンションの家賃やリゾート地の購入に充てられていたとみている。

　原容疑者の知人によると、原容疑者は高級ブランド「シャネル」を愛用しており、福岡市内の百貨店で衣料品や宝飾品を頻繁に購入していた。高級エステティックサロン通いも欠かさなかった。周囲には「私の洋服はＴシャツなど普段着まで９９％がシャネル」と話し、自宅にはシャネルの口紅が２００本はあったという。【川名壮志、金秀蓮】