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児童ポルノ悩まし悪質化 独自規制強化に実効性疑問も

河北新報 1月20日(木)6時13分配信

 インターネット上に氾濫する児童ポルノの悪質化と被害者の低年齢化が進む中、宮城県は児童ポルノの「単純所持」を禁止する独自の規制条例の検討を進めている。「持てないようにすれば製造する人は生まれない」(村井嘉浩知事)という狙いに対し、対策の方向性や実効性をいぶかる声は強い。自治体による規制強化は現実的か。児童ポルノの現状と自治体に求められる対策を探った。(報道部・道下寛子)

 「好きな人ができても、あの写真がある限り、絶対に結婚できないし、子どもも産めない」
 児童ポルノの規制強化を強く訴える日本ユニセフ協会(東京)には、そんな被害女性からの手紙が寄せられている。いつまでも写真や映像の存在におびえなければならない被害は深刻だ。
 キーワードを入れてインターネット検索をすると、児童買春・ポルノ禁止法に抵触するようなサイトに簡単にたどりつける。あるサイトでは販売するDVDの映像の一部と見られる数十枚の写真を掲載。「小学2年」とされる女児らが登場するDVDが、1枚1000円で販売されていた。
 尚絅学院大の森田明彦教授(子どもの権利論)は「サイトの増加に警察当局による削除が追いつかない。児童ポルノ愛好者は、より残虐で、より幼い児童を求める面もある」と話す。
手口は巧妙化
 加害者が、子どもたちと知り合う手口も巧妙になっている。
 警察庁によると2003年の出会い系サイト規制法施行後、無料ゲームや自己紹介のサイトで接触するケースが増加。女子児童の同世代になりすまし、裸の画像を送らせたり誘い出してわいせつな事件に巻き込んだりする事例もあったという。
 同庁少年課は「小児愛好者は所持する児童ポルノを誇示しがちだ。映像や画像の転送を繰り返す人が、自分で商品を製造するようになるケースもある」と警鐘を鳴らす。
 県は今回、「県民を守る自治体の基本的な責務として規制強化を検討する」(環境生活部)と訴える。だが、県の言う「自治体の責務」の内容をめぐっては、異を唱える有識者が多い。
摘発に限界も
 特に「単純所持」の規制について、弁護士で国立情報学研究所(東京)の岡村久道客員教授(情報法)は「児童ポルノは隠し持つもの。別件捜査で発見することはあっても、探し出すことは容易ではない」と実効性を疑問視する。
 京都府が設置した「児童ポルノ規制条例検討会議」の委員も務める岡村弁護士は「罰則のある規制は国レベルで行うべきだ」と指摘し、「最大の問題は被害児童対策。相談窓口など、救済策や物理的、心理的ケアは地域だからこそできる優先課題だ」と国との役割分担の必要性を強調した。
 児童虐待問題に詳しい社民党前衆院議員の保坂展人氏は「著しい被害があるものの規制は賛成だが、規制内容があいまいでは人権を侵害しかねない」と警告。「子どもが『ノー』と拒否できるトレーニングの強化や、未開拓の加害者の更正プログラムなど取り組むべき課題は多い」と述べ、民間と連携した先進的な取り組みの必要性を強調した。

[児童ポルノ] 児童買春・ポルノ禁止法では、「衣服の全部または一部を着けない児童の姿態であって性欲を興奮させまたは刺激するもの」などと定義されている。宮城県内で同法違反の摘発件数は2000年が2件だったの対し、09年は38件。全国では00年は170件だったが、取り締まりをより強化した05年以降急増。09年は935件に達し、そのうちインターネットを利用したものは507件だった。

最終更新:1月20日(木)6時13分

河北新報

 

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