有料「極秘情報」で勧誘、メールで経済不安あおる
福岡市の投資コンサルタント会社「夢大陸」が架空の投資話で資金をだまし取ったとされる事件で、福岡県警に詐欺容疑で逮捕された社長の原千春容疑者(55)が、「国内外の極秘経済情報」とうたった有料の情報提供サービスで投資を募っていたことが分かった。
内容の多くは日本経済の破綻を前提としており、県警は根拠のない情報で投資家の不安をあおり、架空の金融商品を買わせる目的だったとみて調べている。
関係者によると、このサービスは「CHIHARUレポート」という題名で、年会費は3万円。電子メールなどで会員に月1回以上配信し、「公開すると社会的影響を与えかねない」として、非公開情報であることを強調していた。あるレポートでは、「日本に巨大な信用不安の津波が襲ってきます」「メガバンクは、銀行間取引をすでに停止しており倒産寸前」「預金、保険、投資信託、市場は瞬時に凍結されます」――などと独自の見解を説明。夢大陸が仲介するフランス国債や金の購入などを勧めていた。
レポート会員には、原容疑者の講演会や金融相談の料金を2割引きにしたり、海外銀行を紹介したりする特典を設けていた。会員の中には、約10回にわたって架空の金融商品を購入した顧客もいたという。県警は、顧客となった投資家を、特典付きのレポート会員にして囲い込んでいたとみており、実態解明を進めている。
(2011年1月17日 読売新聞)