「夢大陸」詐欺、４００人から６７億円集める

博多臨港署を出る原容疑者（右、１５日午後、福岡市で、画像を一部修整しています）

　架空の投資話で資金をだまし取ったとして、福岡県警が１５日に詐欺容疑で逮捕した福岡市早良区の投資コンサルタント会社「夢大陸」社長の原千春容疑者（５５）ら４人は、２００５年８月〜１０年４月にかけて、全国の約４００人から約６７億円を違法に集めたとみられることが県警の調べでわかった。県警は、原容疑者らがＦＭラジオなどを通じて広く投資を募る一方で、運用実績はほとんどなかったと判断しており、全容解明を進める。

　ほかに逮捕されたのは、原容疑者の内縁の夫で副社長の岩田賢二（５７）（福岡市中央区大濠２）、同社元社員龍都(りゅうみやこ)（５５）（佐賀市水ヶ江５）、同諸麥(もろむぎ)健次（５３）（福岡市西区内浜２）の３容疑者。諸麥容疑者を除き、原容疑者ら３人は大筋で容疑を認めているという。

　発表によると、原容疑者らは０８年１月〜０９年１２月、福岡県大野城市の会社員女性（６５）らに対し、「ユーロはこれから上がる。損は出ません」などとうそを言い、実在しないフランス国債の購入費名目で４７１０万円を振り込ませるなど、計３人から総額約６８５０万円をだまし取った疑い。

　県警は、原容疑者らが同様の手法で集めた金のうち約５４億円は顧客への利払いや償還金などに充て、約１０億円を会社の運営資金や、高級ブランド品の購入などに流用したとみている。