夢大陸の社長原千春容疑者は、福岡と東京にあるマンションを頻繁に行き来していた。「身に着けるものも高級ブランドを好んでいた」と知人は明かす。2001年に夢大陸を設立。05年に福岡市の地域FM局を買収し「六本木と福岡を行き来するヒルズ族」などと自称していた。
原容疑者を知る女性は「いつも全身をブランド品で決めていた」と振り返る。ブティックでは商品棚に並ぶバッグや装飾品、衣服を指さし「これとこれとこれ。全部いただくわ」と値札も見ずに大量の買い物をしていた姿も見たという。
福岡市の自宅マンション以外にも、東京都港区の高級マンション「六本木ヒルズ」の一室を借りていた。女性が訪ねると「これはいくらでね」などと言って、宝石箱の中を見せてくれたという。
“セレブ”な生活の一方で、仕事では別の面も見え隠れした。顧客を増やすために「お金の木」と題する金融セミナーを福岡や熊本、東京などで開催。同行した部下を激しくしかり「ペナルティーだからね。給料から引かなくっちゃね」などと他の社員の前で言うときもあったという。女性は「人の好き嫌いが激しく、社員は萎縮しているようだった」とも話した。
=2011/01/16付 西日本新聞朝刊=