「夢大陸」社長ら逮捕へ、投資話で金詐取した疑い

　架空の投資話で多額の金を集めたとして、福岡県警は福岡市早良区の投資コンサルタント会社「夢大陸」の５０歳代の女性社長ら数人について、近く詐欺容疑で一斉聴取に踏み切る方針を固めた。

　県警は、女性社長が買収したＦＭラジオ局や投資セミナー、著書などを通じて出資を呼びかけ、全国の数百人から数十億円を違法に集めたと判断。社長らを追及して実態解明を進め、容疑が固まり次第、逮捕する方針。

　捜査関係者によると、女性社長らは、ラジオの聴取者やセミナーの受講者らに対し「経済危機が来る。日本円は紙くず同然になる」などと強調。「あなたの財産を守る」として架空の国債やフランスなど外国債の購入を持ちかけて投資金を預かったが、実際には運用せず、金をだまし取っていた疑いが持たれている。

　県警は昨年４月、同社が金融庁の許可を受けずに海外の金融商品を取り扱ったとして、金融商品取引法違反容疑で本社事務所などを捜索。裏付けを進めたところ、顧客に説明したような運用実態が見られず、計画的に資金を詐取した疑いがあるとの見方を強めている。

　女性社長はＦＭコミュニティー放送局（福岡市早良区）を２００５年１０月に買収。番組ではディスクジョッキーを務め、「六本木の巫女(みこ)」と称して「日本経済は破綻する」などと経済動向の予測を語ることもあったという。

　女性社長は捜索を受けた後の昨年６月、顧客あてに「心配をかけ、心からおわびします。皆様の投資金を返済したいが、預金、貴金属などを警察に押収されており困難を極めている」とする内容の書面を送付し、顧客に説明会を開く意向を記していた。

　しかし、同社は現在、登記上の住所の事務所を退去しており、運営は事実上、停止状態になっている。女性社長は入退院を繰り返すなどして、連絡が取れなくなっているという。

　同社については、県警の捜索や出資者が損害賠償を求めた訴訟などについて、各メディアが報道。女性社長は昨年１１月、読売新聞の取材に「今まで報道されたことは全部間違い。来るべき時が来たら話します」などと話していた。